あ、いつもの優心に戻った。
私
「……もっかいしたい」
優心
「……え、はぁっ!?」
盛大に顔を赤くした優心。
……まさか。
私
「優心、その反応……まさか、女の子から攻められるの初めてなの?」
座った優心の上を跨いで、顔を近づけてる私。
優心
「わ、悪いかよ!お前が初恋なんだよ!誰とも付き合ったことなんかねぇんだから!」
もちろん抱いたこともねぇし!と耳まで赤くする優心。
なんだ……。
私
「ふふ、そっかそっかぁ、童貞なのかぁ。なんか意外〜」
優心
「ま、まさかお前、処女じゃないとか言わないよな!?」
私
「なっ、ビッチみたいな言い方すんな!私はれっきとした処女だし!そうだよ!優心に初めてキスされた時本気で焦ったんだから!私の大事なファーストキスを……!」
優心
「乙女かよ……!」
乙女でなにが悪い!
私
「でも……嫌じゃなかったよ。初めてのキスが優心で、嫌なんかじゃなかった」
唇にしたらたぶん気絶させちゃうから、頬にキスをした。
優心
「な、七聖お前……っ」
私
「右目見えないから距離わかんない〜♪」
どさくさに紛れて優心に抱きついてそのまま押し倒す形になった。
優心
「てめぇ……っ!立場逆だろ!!」
私
「元は総長同士じゃんか。立場一緒!」
優心
「アホ!今は俺が上だろ!」
私
「なに言ってんの?今は私が優心の上に乗っかってんじゃん!」
優心
「お前……マジ腹立つ!いっぺん潰すぞ!」
おぉ、怒ってる怒ってる。
私
「私、ケンカ強いんだから」
優心
「潰すの意味わかってんのか?抱くって意味」
………………………………え。
私
「っ……それはちょっと困る」
だって……初めてなんて、まだ怖い。
痛いとか聞くし……??
優心
「ま……落ち着くからこれでもいいけどな!」
優心の上にうつ伏せになってる私の頭を撫でてきた。
私らなりのイチャイチャは、ちょうどいい。
✤琥太郎side✤
倉庫の工事も進んでる中、俺らはある問題を抱えていた。
優心
「白狐の拠点って、結局どこなんだ?」
そう、それだ。
七聖
「最初は違うっぽかったし、その次は意味不明な武道館だったし……」
蒼馬
「他の族の拠点は把握できるけど、白狐だけわからないんだよね」
大和
「さすがに凪も俺も探してるけど見つからねーぞ!」
凪
「他の族に聞いても無駄だった」
蓮
「ハッ……ま、まさか!」
突然大声を出した蓮。
なんだよ。
蓮
「実は全員幽霊とか!」
翔悟
「ま、マジか!!」
朝陽
「そんなわけないから。ふたりともバカだよ」
俺
「さすがにそれはねぇだろ」
アホかお前ら。
優心
「あーあ、あっちぃなぁ……!天王の幹部部屋はクーラーねぇの!?」
俺
「あるしついてる」
七聖
「こんだけ人口密度すごいんだから我慢くらいしてよ優心」
優心
「七聖、なにアイス食ってんだよ!俺にも一口くれ!じゃねーと死ぬ!」
七聖
「はぁっ!?あ!ちょ、優心!」
パクッと七聖の食べてるソフトクリームを一口食べた優心。
あーあ、七聖の好物……。
優心
「あー!生き返る!」
七聖
「な……っ!ふざけんな優心!!なんっでほとんど食べるんだ!コーンのとこしか残ってないじゃん!どうしてくれんだよ!?」
朝陽
「ごめんね七聖、優心の一口でかいから」
七聖
「うっ……私のソフトクリーム……」
ワッフルコーンをかじる七聖。
………気づかないのか?
蓮
「なんでお前ら気づかねーの!?」
優心
「は?なにが」
大和
「間接キスだよ!間接・Kiss!」
凪
「意味わかる?か・ん・せ・つ・き・す!」
ふたりは数秒黙ると、同時に顔を赤くした。
七聖&優心
「なっ……か、間接キス!?」
知らなかったのか……?嘘だろ。
七聖
「ゆ、優心!なに間接キスなんてしてんの!」
優心
「ちがっ、俺はただ生き返りたくて!」
七聖
「んなのアイスくらい買ってこい!アホ!」
優心
「んだと!?もうキスも何回もしてんだからいいだろ!減るもんじゃねーし!」
七聖
「なっ!私からしたら間接キスも大事なキスのひとつなんだよ!特に優心のとは!」
優心
「はぁっ!?お前、俺以外の男と間接キスしたことあんのかよ!?」
七聖
「なんでそうなるんだよ!ない……ぁ」
………あ。
俺&蒼馬
「俺あるわ」
綺麗にハモった俺と蒼馬。
俺
「まぁ俺双子だし」
蒼馬
「まぁ……従兄だし」
優心
「な、なんだと……!?七聖!お前なに考えてんだよ!?」