もう、どうだっていい。
すべて吐いて、いいや。
私
「右目が見えなくなるなんて、やだっ……。怖いよ……怖くて怖くてどうしようもないんだバカ野郎……!!」
優心
「って、バカ野郎は余計だろ!」
私の手首を掴んだ優心。
私
「もう……どうすればいいのかわかんない。わかんないんだよ……」
誰かに言ったことはあるだろうか。
私
「もう……助けて……」
助けて、なんて……。
優心
「やっと聞けた。七聖の本心」
見上げれば、ニコッと笑顔を向けられて。
親指で、涙を拭われた。
周りを見ると、みんな泣いてて。
蒼馬
「はー……負けた」
え……?
蒼馬を見ると、落胆してた。
蒼馬
「負けたよ、真藤には……。今まで涙も弱気も見せなかった七聖がこんなに変わった」
琥太郎
「確かに、真藤に会わなければ七聖はあのまま誰にも頼ったりしなかっただろーな」
琥太郎まで……。
蒼馬
「小さい頃からずっと好きだったけど……それももう終わりだね。七聖には、七聖が好きになった人と結ばれてほしい」
私
「蒼馬……」
蓮
「あーあ!俺も七聖好きだったんだけどな!」
大和
「俺もだし!蒼馬ずりー!とか思ってた!」
琥太郎
「七聖を好きになるやつ多くね?」
朝陽
「俺だってそうだからね」
翔悟
「俺もだし!」
凪
「俺もー」
みんなして……。
励まして、くれてるのかな………。
瑠衣
「七聖……もう、ケンカはやめてくれ」
え……。
お父さんを見ると、眉間にシワを寄せてた。
瑠衣
「母さんと琥太郎とも話してたんだ。七聖にはケンカをやめてもらおうって」
っどうして……?
彩香
「ケンカは、やっぱり危険なのよ。私たちはもう何も失いたくないの」
琥太郎
「七聖は強いけど、兄さんみたいになってほしくないから」
……なんだ。
失望、されてなかったんだ。
ちゃんと……愛され、てた。
私
「じゃあ……総長は引退だね」
優心
「そのかわり、海王と天王の姫になってもらうけどな」
ぽんっ!と私の頭に手を置いた優心。
……………………え。
優心
「俺ら、合併しよーと思って」
私
「……ん?が、合併……?」
な、なにを言ってるの……?
優心
「俺、七聖を手放したくねーもん。でも、また無茶とかするだろ?俺のそばにいてくれねーと困るんだよ」
私
「っ……き、聞いてない!なにそれ!」
朝陽
「あははっ、七聖、耳真っ赤」
みんなして笑うな!
優心
「七聖、いいだろ?」
私
「っ無理してくっつかなくても……私、みんなを無理やりくっつけようとなんてしたくないよ」
琥太郎
「意気投合したんだよ。七聖が眠ってる間にな」
え、えぇ……。
ん?じゃあ……。
日向
「これで総長と離れなくてすむしね!七聖」
樹
「やっぱ、お似合いだしな!」
ふたりとも……っ。
瑠衣
「七聖、お前は好きな人と結婚するんだ」
文也
「あ、じゃあ婚約者にど?優心」
私&優心
「……はぁっ!?」
なっ。
私
「ハモんないで!」
優心
「好きでハモってねー!チビ!」
翔悟
「言ったそばからケンカすんなよー」
凪
「やっぱこのふたりはそうだよね」
一度失った希望。
でも……不思議と怖くない。
こうして、支えてくれるみんながいるから。
✿七聖side✿
それから数日後、私の右目は端から見たら見える人になるけど、完全に見えなくなった。
包帯もガーゼも取れて、今日は気分がいい。
優心
「七聖、起きたー?」
私
「あっ、優心!おはよっ」
ここは優心の本家らしく、この数日間優心もここに住んでた。
優心
「あのさ……」
私に近づいて、手を握ってきた優心。
……?
私
「優心?」
優心
「その……」
?
なんだ?なにがしたいんだ?
優心
「右目……大丈夫か?」
私
「あぁ、うん。まだ慣れないけど……」
えへへ、と笑った。
優心
「無理に笑ったりすんな。ブス」
ぶ、ブス……!?
私
「あれ、私優心に告白されたよね?」
優心
「あぁ、何度もな!」
私
「なのにブスってひどくない!?ねぇ!」
優心
「あーもう……嘘だって!お前は可愛い!!」
ぷいっと顔を背けた優心。
………っ!
優心
「つか、お前の気持ちまだ聞いてないんだけどどういうことだよ!?答えろ!」
あ、そうだった……。
うぅ……恥ずかしいな……。
私
「っ……わ、私……」
優心の手が私の頭を撫でる。
くすぐったい……。
私
「私っ、優心のこと……、」
文也
「七聖ちゃんおっはー!調子はどう!?」
と、タイミング良く入ってきた文也さん。