血を出した時限定だけど。
柊
「さぁ……面白いショーの始まりだ!」
✶優心side✶
七聖を送った次の日、倉庫には東雲もとい大和が来ていた。
大和
「凪〜!あの日から七聖笑わねーんだよ!」
凪
「そんなの知らないよ……俺らから引き離したのはそっちじゃんー?」
大和
「幼なじみだろ!?そんなこと言うなー!」
騒がしいな……。
つか、
俺
「お前、何しに来たんだよ!」
大和
「んなの、相談だよ!お前らのこと潰す気だった七聖が、帰ってきた途端ぼんやりしてるしよー!かと思えば、急になんかのスイッチが入ってるし!」
……そうだったのか。
凪
「七聖、笑ってなかったんだ?」
大和
「おうよ!真顔!蒼馬が心配して心配して琥太郎なんかつめてーし!双子なのに」
仲間割れか……?
しょうもねぇな……。
翔悟
「なぁ!なんか七聖がやけに俺ら海王と白狐を接触させないようにしてんだけど!なんか理由あんの!?」
大和
「知るかよ!俺に聞くなぁァァ!」
朝陽
「一応情報管理係なんだよね?」
ったく……。
その時、俺のスマホが鳴った。
誰からだ?
見てみると、七聖からだった。
俺
「っ七聖!?もしもし?」
ビデオ通話を受けると、画面が出た。
朝陽やみんなも、それを見た。
っ……。
柊
『ざーんねーん!俺でしたぁ〜』
大和
「コイツっ、白狐の……!」
凪
「大和黙って!」
柊は後ろを映した。
そこには……。
俺
「っ七聖!?」
縄に縛られ口にガムテを貼られ、頭から血を流してた。
柊
『いやぁ〜、いい眺め!なぁなぁ、今から言う使われてない武道館に来てよ。天王と海王と帝組と真藤組連れてさ!』
………は?
俺
「どういうつもりだ!?」
柊
『早くしないと殺しちゃうよ〜?七聖ちゃん』
血のついた金属バットを持った柊。
っ……。
プツッと切れた電話。
俺
「お前ら!今すぐ準備しろ!大和!天王も呼べよ!俺は組の奴らを呼ぶ!」
大和
「お、おう!任せとけよ!」
くっそ……なんのつもりだ!
七聖を傷つけるなんて……許さねぇ!
待ってろ、七聖。
守ってみせる。何もかも。
✿七聖side✿
さっきから楽しんでる柊。
なにがそんな楽しいんだろ……。
にしても、頭痛い……クラクラする。
悪化してきてるかな?熱……。
こんな、簡単に連行されるなんて……!
私、なにやってんだよっ……。
柊
「いやぁ〜、これから面白いことになるね」
「そうですね、総長!やっとです!」
武道館の、観客席にいる私たち。
──バンッ!
思い切りドアが開いて、たくさんの人が続々と競技をするとこに出てきた。
優心っ……みんな……!
柊
「おおー、早いねー」
優心
「おい!七聖を返せ!」
柊
「敵なのに、大事なの?」
私を人質にして、ナイフを向けた柊。
っ……。
朝陽
「七聖、病み上がりなのにまた再発してる」
蓮
「貧血持ちなのに……!!」
お父さんやお母さんに、舞衣さんまで。
舞衣さんの横にいるのは、優心のお父さんなのかな……。
優心
「大事に決まってんだろ……!この世界で、誰よりも大事な女だ!」
優心……っ。
柊
「へぇ〜……じゃあ、戦ってよ。天王と海王でさ?勝った方に七聖ちゃんあげるよ」
え……?
琥太郎
「ふん、簡単だな。お前ら!」
う、嘘、戦わないでっ!
私
「待って……っ!!」
武道館に、私の声が響いた。
私
「お、願いっ……戦わないで!」
もし、海王が勝ったら?
白狐と戦わないといけない。
もし、天王が勝ったら?
白狐にやられるかもしれない。
蒼馬
「七聖?」