きょとん、とした七聖。
琥太郎
「兄さん、いい加減ウザイぞ。認めてやれよ」
蒼馬
「さすがに七聖が可哀想……」
ふたりまで!?
俺
「蒼馬、お前確か七聖のこと……」
蒼馬
「優心に譲ったんだよ。俺ら全員七聖が好きだったけど諦めた。相手が優心だから」
マジか……。
俺
「優心、お前そんな強くなったのか」
優心
「おう!だから父さんたちに七聖の護衛も頼まれてたんだけど、疾風さん認めてくれないなら全部パーで七聖守れなくなるな」
くっ……。
七聖は優心と出会ってこんな変わったのか?
女の子らしいというか……。
めちゃくちゃ可愛くなってるし。
……しょうがないか。
俺
「わかったよ……同棲すれば」
七聖
「え!ホント!?」
パァァァっと満面の笑みを見せた七聖。
こんな顔をさせる優心が憎たらしいな。
俺
「その代わり!絶対抱き合ったりすんなよ!高校生で確かにするのは普通だけど、万が一ってこともあんだからな!!」
琥太郎
「兄さん下品……。七聖、優心、気にすんな」
優心
「まーとりあえず俺寮出るから、準備する間七聖見ててくれない?」
そういうことだったのか……。
優心
「じゃー七聖、行ってくるから待ってて」
七聖
「一応気をつけてよ?怪我とかして帰ってきたら許さないからね」
優心
「わーかったって。んじゃあお前ら頼んだ」
一同
「はーい」
な、なんだこの茶番……。
ダメだ、目眩がしてきた……。
剣
「残念だなぁお前。離れてるからこうなるんだぞ〜?」
ポンッと肩に手を置いた剣。
俺
「うっせぇ……!!」
いいんだよ別に!
こうなったらヤケクソだ!!
俺
「妹の幸せは兄弟の幸せとも言うからな!」
琥太郎
「でも兄さん、涙出てるよ……」
俺
「そりゃそうだろ!七聖が花嫁だぞ!俺はもう涙しか出てこねぇよ……」
朝陽
「まぁ、お互いに必要不可欠だからね」
蒼馬
「これからも何度も言い合いしてくんだろうねあのふたり」
言い合いできる仲なのか……。
翔悟
「疾風さんも!俺らと一緒に見守ろ!!」
蓮
「そーそー!案外楽しいもんだよ?」
大和
「優心は絶対七聖に勝てねぇもんな〜」
凪
「七聖のお願いならいくらでも聞くっしょ」
……まぁ、見守ってやるか。
今まで一緒にいてあげれなかったぶん、これからは兄としてちゃんと見守ろう。
七聖
「みんなしみじみ語らないでよ」
日向
「七聖にも見せてやりたかった!楓やっつけてる時の総長!!」
樹
「あれはカッコイイよな!でも、初めて見たよあんなサイコパスっぽいの。あれは殺っちゃうのかと思った」
まぁ……大丈夫か。
優心なら、七聖を守ってくれるだろうし。
✶優心side✶
七聖の家でハンバーグを作ってる俺。
……だけど、すげー見られてる。
何にって……カウンターに座ってこっちを見てる七聖に。
可愛い……すごく、いや、めっっっちゃくちゃ可愛い。
でも、なんか照れるとゆーか……。
俺
「七聖」
七聖
「ん?」
俺
「そんなに見て面白い?」
七聖
「面白いってゆーか……料理してる優心ってレアだから、見てたいなって」
理由まで可愛いんだけど。
なんなのこの子。
七聖
「ねぇねぇっ、今度優心と一緒にご飯作りたいなぁ。ダメ?」
待って、可愛いお願いまでされたんだけど。
ダメだ、さっきから可愛いしか出てこない。
そんなこと好きな女から言われたら、
俺
「いいけど……」
って言うに決まってんじゃん……。
七聖
「やったぁ……!何作ろっか」
俺
「んー、あ!トンカツとか!あとコロッケ!」
七聖
「どっちも揚げ物だね?優心揚げ物好きだよね」
揚げ物は全部美味いから!!
七聖
「絶対一緒に作ろーね!」
俺
「おう!約束な!」
そんなこんなでチーズハンバーグが出来上がり食卓に並べた。
七聖の真向かいに座って、手を合わせた。
俺&七聖
「いただきます!」
七聖はハンバーグを一口食べた。
ぶっちゃけ、人に作ったのは初なんだけど。
七聖
「ん〜っ、おいひぃ〜!」
目を細めて幸せそうに食べる七聖。
ホント美味しそうに食べるよな……パフェの時もそうだったし。
俺
「ハムスターみたいだな」
七聖
「優心も食べてみなよ!美味しいから!!」
作った人に言うとか……。
そう嬉しく思いながらも一口食べた。
俺
「ん!美味っ!やっぱりチーズだな!」
このとろけ具合がたまんない……。
七聖
「また優心の作ったの食べたいっ!」
うっ……。
なんだよ、こんな甘え方するとか。
いや、わがままか……?
そんなんお願いされたら、
俺
「七聖が食べたいもん作ってやるよ!」
って言うしかねぇじゃん……。
この際だし、スイーツとかも覚えとくか。
七聖好きだし……。