俺は、優心のことも好きだから。
いや、仲間としてな!?
朝陽&凪
「俺も」
だから、せめて……。
俺
「幸せになることを願うぞ……」
俺は、優心も七聖も、失いたくないから。
✿七聖side✿
目を覚ますと、私の家の天井が見えた。
優心……?
辺りを見渡すと、優心はいなかった。
でも微かに、優心の匂いがする。
優心……。
あの腕の温もり……忘れられない。
忘れなきゃ、なんないのに……っ。
ぎゅっとネックレスを握った。
この気持ちは、閉じ込めるって決めたんだ。
絶対……墓場まで持ってってやるんだから!
にしても……心細いな。
あ、お母さん呼ぼっかな。
スマホで、お母さんを呼んだ。
彩香
『もしもし?七聖?』
私
「お母さん……今、暇?」
彩香
『今?どうして?』
私
「熱出たから、心細い……」
そう言うと、電話の向こうでガタガタっ!という激しい騒音が聞こえた。
だ、大丈夫かな?
彩香
『ま、待ってて!今行くわ!』
プツッと切れた電話。
私
「はぁ……」
さっきまで、優心といた。
海王のみんなと……。
しばらくすると、お母さんがやってきた。
彩香
「七聖!大丈夫!?」
私
「お母さん、慌てすぎだよ」
彩香
「慌てるわよ!」
こういうとこ、昔から変わらないな……。
一通り看病が終わった後、お母さんは私のそばにいてくれた。
私
「ねぇお母さん……」
彩香
「うん?」
私
「……なんで私は、帝なんだろうね」
彩香
「え………」
お母さんを困らせちゃうのはわかってる。
私
「いや、敵じゃなくてただのそこらへんのか弱い女の子だったらなぁとか思って」
あはは、と笑った。
そしたら……素直に、なれたかな。
彩香
「……七聖は、まったく笑わなくなったね。それのせい?七聖を苦しめてるのはなに?」
お母さん、鋭いな……。
私を苦しめてるものか……。
私
「……壁、かなぁ。あと立場」
総長同士なんか……嫌だ。
彩香
「お母さんも、あったなぁ……」
えっ……?
お母さんを見ると、懐かしそうな顔をしてた。
彩香
「お父さんねぇ……ホントは、帝組が代々結婚している家の娘さんと結婚するはずだったのよね」
え……お父さんが?
彩香
「だけど、図書室で本を読んでる私に一目惚れしてたみたいで……猛烈アタックしてきてたの。帝組は有名だから、みんな近寄ることは無かったけど……私は違った」
確かに……今でも、知れてる。
彩香
「お互い、後悔して悔やんでた。今の七聖と同じ。どうして帝組に生まれたんだろ、どうしてただの人間なんだろって……でも、諦めなかった」
お父さんにも……そんな過去が?
彩香
「だから七聖……私もお父さんもみんな、あなたの幸せを願ってる。だから、七聖は七聖らしくやればいいの」
私、らしく……?
ぎゅっと、優心のネックレスを握った。
彩香
「七聖にとって、きっとその人は命をかけるほど大事なのね」
っ……。
そう、だよ……。
私
「大事だから……っ守りたい!」
彩香
「七聖……」
じわっ……と涙が出た。
どうしても、守りたいっ……。
ううん、守ってみせるよ……。
お兄ちゃんとの約束、守れないけど。
でも……お兄ちゃん、見てて。
私は……天王も海王も、優心を守る。
全部全部、この手で守ってみせる……っ!
熱が引いたから翌日倉庫に行こうとした。
今日は天気がいいなぁ……。
なんて思ってると、
柊
「なーなーせーちゃん」
聞き覚えのある声が、後ろから聞こえた。
まさかっ……。
振り向くと、柊がいた。
っ……!
私
「なんの用?」
柊
「いやぁ、面白いこと思いついたんだよね。付き合ってくれる?それに」
面白いこと……?
柊
「ま、拒否権なんかないんだけど、ね!」
その瞬間。
──ガン!
油断していた私は後ろから何かで殴られた。
な、なにっ……!?
振り向くと同時に、温かいものが流れてきた。
触って確認すると、血で。
ドクンッ……!
バッドで、殴られた……やば、頭重い。
病み上がり、なのに……。
抵抗も忘れてると、男に担がれて車に入れられた。
元々貧血気味な私は、すぐに体調を崩す。