優心
「でも……やっぱり、七聖のことはわからないままなのかもな……」
樹
「……でも、七聖はわかりやすいですよ」
確かに……。
七聖は、好き嫌いハッキリしている。
朝陽
「七聖は、どうして俺らと白狐を近づけさせたくないんだろうね」
凪
「なぁ、一応天王の奴らに知らせとく？介抱してるって」
優心
「だから、七聖はバレたくないんだって」
優心は……最初から見破ってたんだ。
それを分かって、好きに……。
いつか、優心が言っていた。
「でも……やっぱり、七聖のことはわからないままなのかもな……」
樹
「……でも、七聖はわかりやすいですよ」
確かに……。
七聖は、好き嫌いハッキリしている。
朝陽
「七聖は、どうして俺らと白狐を近づけさせたくないんだろうね」
凪
「なぁ、一応天王の奴らに知らせとく？介抱してるって」
優心
「だから、七聖はバレたくないんだって」
優心は……最初から見破ってたんだ。
それを分かって、好きに……。
いつか、優心が言っていた。
それは、俺らがふと疑問になったことを優心に言った日。
俺
「なー！なんで優心モテんのに女とか作らねぇの！好きになったりしねーの!？」
サンドバッグを殴ってる優心にそう聞いた。
確か、小６の時。
優心
「別に、今はケンカしてたいし！」
朝陽「そういえば優心は彼女できたことないよね」
優心
「お前らが早いんだよ！マセガキかっつの」
凪
「今どきフツーじゃーん？」
ボスっ、と手が止まった優心。
優心
「俺は、付き合うのはたったひとりって決めてんの！初めて愛した女と生涯共にするとか憧れんじゃん！それに……」
と、少し頬を赤くした優心。
なんだ？
優心
「やっぱ、最初で最後の恋をしてみたいじゃん？なぁ！」
そう言ってた優心が、今、好きな女のために頑張ってる。
ただでさえ強気で、素直になれない七聖なのにな。
それをわかってて、リスクを背負った上で好きになったんだ……。
こんなの……もう、決まったようなもんだ。
七聖の反応見てたらわかる。
俺らへの視線と、優心への視線が違うことくらい……。
敵を嫌う優心が……一番好きになっちゃいけねぇ女を、想ってる。
………敗北、か。
なんだ？
優心
「やっぱ、最初で最後の恋をしてみたいじゃん？なぁ！」
そう言ってた優心が、今、好きな女のために頑張ってる。
ただでさえ強気で、素直になれない七聖なのにな。
それをわかってて、リスクを背負った上で好きになったんだ……。
こんなの……もう、決まったようなもんだ。
七聖の反応見てたらわかる。
俺らへの視線と、優心への視線が違うことくらい……。
敵を嫌う優心が……一番好きになっちゃいけねぇ女を、想ってる。
………敗北、か。
どうやら、七聖を助けれんのは優心だけみたいだし。
朝陽
「あ、俺らは何か買ってこようか。凪、翔悟行くよ」
凪
「はーい」
俺
「じゃあお前ら、よろしく〜」
俺ら３人はそう言って、部屋を出た。
俺
「あーあ！完っっ全に敗北！！」
朝陽
「翔悟も思ってたんだ。実は俺も」
凪
「マジ？俺も〜。敵なはずなのに、お互いを認め合ってる感じ………」
あー……もう！
俺
「俺、見守り隊になるぜ！」
朝陽
「あ、俺らは何か買ってこようか。凪、翔悟行くよ」
凪
「はーい」
俺
「じゃあお前ら、よろしく〜」
俺ら３人はそう言って、部屋を出た。
俺
「あーあ！完っっ全に敗北！！」
朝陽
「翔悟も思ってたんだ。実は俺も」
凪
「マジ？俺も〜。敵なはずなのに、お互いを認め合ってる感じ………」
あー……もう！
俺
「俺、見守り隊になるぜ！」
俺は、優心のことも好きだから。
いや、仲間としてな!？
朝陽＆凪
「俺も」
だから、せめて……。
俺
「幸せになることを願うぞ……」
俺は、優心も七聖も、失いたくないから。
いや、仲間としてな!？
朝陽＆凪
「俺も」
だから、せめて……。
俺
「幸せになることを願うぞ……」
俺は、優心も七聖も、失いたくないから。
✿七聖side✿
目を覚ますと、私の家の天井が見えた。
優心……？
辺りを見渡すと、優心はいなかった。
でも微かに、優心の匂いがする。
優心……。
あの腕の温もり……忘れられない。
忘れなきゃ、なんないのに……っ。
ぎゅっとネックレスを握った。
この気持ちは、閉じ込めるって決めたんだ。
絶対……墓場まで持ってってやるんだから！
にしても……心細いな。
あ、お母さん呼ぼっかな。
スマホで、お母さんを呼んだ。
目を覚ますと、私の家の天井が見えた。
優心……？
辺りを見渡すと、優心はいなかった。
でも微かに、優心の匂いがする。
優心……。
あの腕の温もり……忘れられない。
忘れなきゃ、なんないのに……っ。
ぎゅっとネックレスを握った。
この気持ちは、閉じ込めるって決めたんだ。
絶対……墓場まで持ってってやるんだから！
にしても……心細いな。
あ、お母さん呼ぼっかな。
スマホで、お母さんを呼んだ。
彩香
『もしもし？七聖？』
私
「お母さん……今、暇？」
彩香
『今？どうして？』
私
「熱出たから、心細い……」
そう言うと、電話の向こうでガタガタっ！という激しい騒音が聞こえた。
だ、大丈夫かな？
彩香
『ま、待ってて！今行くわ！』
プツッと切れた電話。
私
「はぁ……」
さっきまで、優心といた。
海王のみんなと……。
『もしもし？七聖？』
私
「お母さん……今、暇？」
彩香
『今？どうして？』
私
「熱出たから、心細い……」
そう言うと、電話の向こうでガタガタっ！という激しい騒音が聞こえた。
だ、大丈夫かな？
彩香
『ま、待ってて！今行くわ！』
プツッと切れた電話。
私
「はぁ……」
さっきまで、優心といた。
海王のみんなと……。
しばらくすると、お母さんがやってきた。
彩香
「七聖！大丈夫!？」
私
「お母さん、慌てすぎだよ」
彩香
「慌てるわよ！」
こういうとこ、昔から変わらないな……。
一通り看病が終わった後、お母さんは私のそばにいてくれた。
私
「ねぇお母さん……」
彩香
「うん？」
私
「……なんで私は、帝なんだろうね」
彩香
「え………」
お母さんを困らせちゃうのはわかってる。
彩香
「七聖！大丈夫!？」
私
「お母さん、慌てすぎだよ」
彩香
「慌てるわよ！」
こういうとこ、昔から変わらないな……。
一通り看病が終わった後、お母さんは私のそばにいてくれた。
私
「ねぇお母さん……」
彩香
「うん？」
私
「……なんで私は、帝なんだろうね」
彩香
「え………」
お母さんを困らせちゃうのはわかってる。
私
「いや、敵じゃなくてただのそこらへんのか弱い女の子だったらなぁとか思って」
あはは、と笑った。
そしたら……素直に、なれたかな。
彩香
「……七聖は、まったく笑わなくなったね。それのせい？七聖を苦しめてるのはなに？」
お母さん、鋭いな……。
私を苦しめてるものか……。
私
「……壁、かなぁ。あと立場」
総長同士なんか……嫌だ。
彩香
「お母さんも、あったなぁ……」
えっ……？
お母さんを見ると、懐かしそうな顔をしてた。
「いや、敵じゃなくてただのそこらへんのか弱い女の子だったらなぁとか思って」
あはは、と笑った。
そしたら……素直に、なれたかな。
彩香
「……七聖は、まったく笑わなくなったね。それのせい？七聖を苦しめてるのはなに？」
お母さん、鋭いな……。
私を苦しめてるものか……。
私
「……壁、かなぁ。あと立場」
総長同士なんか……嫌だ。
彩香
「お母さんも、あったなぁ……」
えっ……？
お母さんを見ると、懐かしそうな顔をしてた。
