✿七聖side✿
そしてデート当日!
舞衣
「うん!これでよしね!」
私
「ま、舞衣さんっ!本当に大丈夫ですか?こんな女の子ぽくて……」
今の私は、キュロットに可愛らしい黒のトップスを身につけていて。
髪型だって、いつもはしないウェーブ巻きに赤のカチューシャ。
に、似合わない……。
舞衣
「本当はメイクもしたいけど……」
私
「さ、さすがに優心に引かれます!」
舞衣
「あらそう?それじゃあデート頑張って!」
うぅ、恥ずかしい……。
舞衣さんに背中を押され家を出る私。
確か、待ち合わせはここの近くのコンビニだったよね。
そう歩こうとした時。
優心
「おい!彼氏を素通りすんな!」
声が聞こえて振り向くと、私の家の前に優心がいた。
えっ。
私
「優心!なんで……」
優心
「なんか心配だから待ってたんだよ!普通後ろ見るだろ!」
私
「見ないし!でも……ありがと」
チラッと優心を見ると、優心は私の服装を見て固まった。
………?
優心
「なっ……な、七聖お前……っ」
な、なんか優心が挙動不審!?
優心
「っ……なんでそんな足出してんだ!」
ガーンっ……!
やっぱ、そう言われる!?
私
「うっ、私だって似合わないのくらいわかってるし!わかってるけど、舞衣さんがっ」
優心
「ばっ、似合わないなんて言ってねえ!」
え?違うの?
優心
「だからそのっ……なんつーか……あー!!もう行くぞ!」
私の手をギュッと握って、歩き出した優心。
可愛いって……言われたかったなぁ。
電車乗ると、混んでるのか人が多かった。
優心
「七聖、こっち」
私
「あ、ありがとっ」
私を壁の方に連れてくれた優心。
優心
「にしても、なんでこんな混んでんだよ……」
私
「さぁ……みんな遊園地行くのかな?」
そんなこんなで駅を降りて、遊園地に着いた。
……が。
優心
「なんか、カップル多すぎだろ……」
周りを見ると、カップルだらけで。
「え!ねぇ!あの人、海王の総長じゃない?」
「本当だ!隣にいるの、彼女かな?」
「おいおい知らねーの?海王の総長と天王の元総長付き合ってるんだって」
「今は天海朧月って暴走族なんだよな」
なんて声が聞こえてきた。
うぅ、やっぱ優心モテるんだ……。
私
「優心!早く行こ!」
優心
「分かったって!遊園地は逃げたりしねーんだから慌てんな!」
優心の手を引っ張って、遊園地に入った。
なんか、モヤモヤする……せっかくの優心とのデートなのに。
優心
「で、どれから乗んの?」
私
「やっぱ全部回りたいよね!でもまずは……あれにしよーよ!」
私がビシっ!と指さしたのは、ジェットコースターだった。
王道かな?
でも、王道が楽しいとか言うし!
優心
「た、高くね?」
……おや?
私
「優心、まさか怖いの?」
優心
「なっ、んなわけねぇだろ!?ほら行くぞ!」
いや、声震えちゃってるよ。
優心に手を握られ歩きながらも、
私
「怖いなら無理しなくていいよ?」
優心
「う、うっせぇ!無理してない!!」
私
「またまたぁ、強がっちゃって」
優心
「お前、マジぶっ潰すぞ!チビ!」
私
「はぁっ!?チビ言うなチンチクリン!」
と、口喧嘩する私たち。
もう!せっかくデートしてんのに!
って、煽った私も私か……。
ジェットコースターに乗ってベルトを閉めて優心を見てみた。
やばい、目が死んでるよ優心!
……写メ撮っちゃだめかな?
私
「……ぶフッ」
優心
「おい笑うな」
私
「わ、笑ってな……あひゃひゃっ」
優心
「七聖マジムカつく笑い方すんな!!」
あ!動き出した!
私
「ねぇ優心〜、ほらほら、登ってるよ〜!」
優心
「てっめぇ……っ、降りたら地獄見せてやる」
頂上へ登った、次の瞬間。
物凄いスピードで急降下していく。
「キャアァァァァァァアっ!」
「わぁぁぁぁぁぁあっ!!」
色んな人の叫び声を聞きながら、風の音が通り過ぎてく。
やばい!景色すごいぃぃい!
私
「アッハッハッハッハッ!ねぇ優心!!面白いね!ね!」
優心
「なんっも面白くね〜〜〜っ!!!!」
それからも叫び続け………。
優心
「はぁ……はぁ……っはぁ……」
ジェットコースターを降りた優心は、今にも倒れそう。
なんかここまで来ると可哀想だな……。
私
「優心……大丈夫?」
優心
「ふ、っざけんなよ七聖!七聖のせいでこんな恐ろしい思いを!」
あ、騒ぐ元気はあるんだね。
私
「しょうがないなぁ。じゃあちょっと休む?」
優心
「いや、次はあれだ!コーヒーカップ!!」
バンッ!と指さした優心。
へえ〜、コーヒーカップ!
確かゆらゆら揺れて楽しむやつだよね!