七聖
「なっ!私からしたら間接キスも大事なキスのひとつなんだよ!特に優心のとは!」
優心
「はぁっ!?お前、俺以外の男と間接キスしたことあんのかよ!?」
七聖
「なんでそうなるんだよ!ない……ぁ」
………あ。
俺&蒼馬
「俺あるわ」
綺麗にハモった俺と蒼馬。
俺
「まぁ俺双子だし」
蒼馬
「まぁ……従兄だし」
優心
「な、なんだと……!?七聖!お前なに考えてんだよ!?」
七聖
「しょ、しょうがないじゃん!琥太郎とはよく飲み物飲み比べとか小さい頃してたし、蒼馬もだし!」
優心
「いいか?今後一切そういうことすんなよ!俺限定だからな!?」
七聖
「それ言ったら優心もだからね!?さっきみたく生き返りたいとか変な言い訳使って他の女の子としたらぶん殴るからね!?」
こいつら……よく飽きねぇでケンカするな。
俺らのこと忘れてね?
朝陽
「あのー……七聖、アイス溶けてる」
七聖&優心
「っ!?あぁっ!」
あろうことか、七聖の手にアイスが流れてきてた。
あちゃー……。
七聖
「しょ、翔悟!ティッシュどこだっけ!」
翔悟
「ちょうどさっき汗かくので使った!」
七聖
「はぁっ!?ど、どうしよ!」
優心
「あーもう!貸せ!」
チュッと七聖の手を舐めた優心。
一同
「え…………」
七聖の手からアイスを取って、それをパクッと一気に食った優心。
………え。
七聖
「ひゃ、びゃぁああっ!?」
優心
「あ、ごめん七聖。つい」
凪
「よく見ろ優心、七聖壊れた」
朝陽
「あ、ポケットティッシュあったよ」
放心状態の七聖の手を拭いてあげた朝陽。
優心
「いやー、ごめん七聖。けど、美味かった」
七聖
「………感想なんか聞いてない」
大和
「無自覚って怖いな……」
翔悟
「だな……」
ったく……。
琥太郎
「つか、あんまラブラブすぎると白狐と戦えなくなるぞ……」
七聖
「……次は、どういう出方するのかな………」
前回ので、少しトラウマになってる七聖。
兄さんも……だよな。
結局、なにもわかってないけど。
優心
「んな心配すんな。俺が守ってやっから!」
ポンッと頭に手を置いた優心。
七聖は我に返ったのか、安心したように肩を降ろした。
こんないろんな七聖は、見たこと無かった。
……優心に感謝だな。
蒼馬
「次七聖が人質にされたら、かなりやばいね」
蓮
「だ、だよな……」
大和
「今度七聖になにかあったら……」
……考えるだけでも嫌だ。
もう、大切な人は失いたくない。
朝陽
「そんなわからない未来とか考えないでよ」
翔悟
「そうだぞ!俺ら天海朧月は最強族が合わさった最強族なんだからな!」
凪
「負けることはないっしょ」
こういうとき、海王の奴らには助けられる。
……いや、仲間だな。
天海朧月という、最強の。
七聖
「………」
俯いて、眉を下げてる七聖。
やっぱり……まだ、無理があるよな。
姫にさせてよかったよ、ホント。
優心
「あー、アイス足りねぇ!七聖、さらにアイス買いに行くぞ!」
ひょいっと七聖を抱き上げた優心。
七聖
「っ!?ちょ、優心!?」
優心
「しょうがねーから奢ってやるよ!ほら、ダッシュで行くぞ!」
七聖
「や、やだっ!ダッシュは怖いって!降ろせバカ野郎!」
と、ギャーギャー騒ぎながら出てった。
七聖の不安を拭えるのは、アイツだけだ。
こういうとき、七聖を助けれるのは七聖が心を許してる奴だけ。
別に俺らにもなんだろうけど……優心は、七聖にとって特別だから。
お互い、必要不可欠だろ。
だからこそ……これからのことに緊張する。
白狐を倒せるか、兄さんの真相を掴めるか。
……七聖の隣に、あいつがいてくれるか。
✿七聖side✿
なんだかんだで離れに愛着を持った私。
夏休みに入った今、心は落ち着かない。
大体夏休みに抗争をする族が多いんだよね。
この暑さに、ストレス発散もできるから。
そんな中、このどうしようもない緊張を落ち着かせるために私はネイルをしてた。
この匂い、落ち着くし……。
もし、また人質にされたら……。
今度こそ、生きて帰れないかも。
相手は、お兄ちゃんを殺した族。
なにされるか、わかんない………。
優心
「なぁ、爪でこぼこしちゃってるけど」
優心の声で我に返ると、いつの間にか爪と爪がくっついていた。
私
「うわっ、ホントだ!」
除光液で落とした私。
てゆーか……。
私
「なんでいんの!?」
優心
「はぁ?この前玄関で合鍵見つけたから勝手に取ったんだよ!」
いや、犯罪だからねそれ!?
優心は彼氏だからいいものの……。
優心
「……なぁそれやりたい」
マニキュアを指さした優心。
これ?
私
「あぁ、優心の爪に塗ってあげよっか?」