太く丸い柱の陰からアハトが現れる。

「供の者を探しておられたんですか。
 仕方がない。

 私がついて参りましょう。
 お妃様になにごとかあっては困りますからな」
と言うアハトの目には、

 私が王に紹介したお妃様になにごとかあってはっ。

 アローナ様は、とりあえず、私のことを恨んではいないようだし。

 今後、私になにか利益をもたらしてくれるかもしれない、そんなお妃様になにかあってはっ、
と書いてあった。

「そ、そうですね。
 では、アハト様にお願い致しましょうか」
と今まで頼もうと思っていたのに、向こうから強く言ってこられて、引きながらもアローナはそう言った。

「アハト様なら、よくあそこにいらっしゃってるようなので、助かります」
とアローナは言った。

「あそことは何処なのですか?」
とアハトに問われる。