「こんなときこそ、シャナがいればいいのに。
 王が使いに出してしまわれたから」

「そうなんですか?」

「あの男、いなくていいときにはいるくせに。
 いて欲しいときにはいないんですよね」

 そう言って、
「……刺客にいて欲しいときってどんなときなんですか」
と突っ込まれてしまったが。

 いや、シャナはもう気配を悟られず動ける俊敏な便利屋のような扱いになっている。

「この間捕まえた刺客はまだ使えそうにないしなー」
と思わず、呟いて、

「いや、刺客は普通、人材として雇用するために捕まえるわけじゃないんじゃないですかね?」
とアローナに言われてしまった。