「お頭……いや、那岐さん…!ファイトっす…!」



隣のそいつはぐっと拳を握って応援しちゃってるし…。

まぁ俺もあんなアドバイスもしてこうして見守って、人のこと言えないんだけども。


そしてとうとう絃織さんは覚悟を決めたようだ。



「…さすがにここくらいはちゃんとしてよね、絃織さん」



ここはもう男の見せ所だ。


絃ちゃんにとって初めての告白だろうし、どれだけあの子が絃織さんを見ていたかはわりと知ってるつもり。

さすがに友達には幸せになって欲しいんだよ、俺だって。


そして彼は息を深く吸って吐いて、ほんのりと頬を赤らめながら、視線を逸らすように照れ隠しをして。




「絃。…俺と───…誰にも切れない、俺たちだけの新しい“絃”で……繋がろう、ぜ」




・・・・・・・は?


えっ、なにそれ下ネタ?
この人なにをぶっこんできてんの?

ぶっこむってそういうこと?

そういうことだけに??


キザに言ってる下ネタにしか聞こえないんだけど……。



「…嘘でしょ、那岐 絃織。…ヘタレ確定」


「那岐さん…っ、お嬢…!」



隣でハゲ泣いてるし。
なにもう色々カオスすぎじゃない?

でも、目の前のふたりは幸せそうに抱き合ってるし…。


なんていうか光に包まれてる感じがした。

そりゃ2つの光が合わさってんだから、当たり前か。


もういいよ幸せで。

はいはいおめでとう。



「それと…アメジストの意味は魔除けだけじゃないんだよ」