『いい加減にしろよ、何嘘ついてんだよ。ねえちゃ、いや、あいつはそんな三股とか人を騙すなんてことしねーんだよ』
『この子だよ、翔。この子も立花結月に騙されてるの』
『はぁ?頭、大丈夫?』
陽人は呆れてしまって、言い返すのもばからしくなったって。
それを無言で見ている高槻先輩にも段々イライラしてきて、
『その人は先輩の彼女なんでしょ?だったら他の女見てないで、不安にさせないであげて下さいよ』
『えっと、君は誰?』
『たち・・・いえ。陽人って言います』
『陽人くん、誤解させてたらごめん。俺たちは付き合ってるわけじゃないよ。彩耶とは昔からの腐れ縁っていうか、今はバスケ部のいい仲間かな』
そこまで聞いたとき、陽人は岡崎先輩がワナワナ震えていることに気づいて、
『まぁ、俺は人の恋愛に口出すつもりはないんで。ただ、立花結月を傷つけたら俺が許さない』
と、二人に釘を刺しておいたから。
これが陽人から聞いた出来事。