「あなた、翔とのペアを断ってよ。ペアのことを面白くないと思ってる人は沢山いるんだから」
岡崎先輩の怒った声が大きかったからか、グランドで練習している人たちがこちらを見ている。
私は立ち上がり、スカートに着いた砂埃りをパンパンと叩いた。
ヒーローがいるならここで登場じゃないの?
なんて。そんな上手い話はないか。
そんな事を考えたら「くすっ」と声が出てしまった。
ヤバッっと口を覆っても時すでに遅し。美人が怒ると鬼よりも怖い。
「ふざけないでよ!」
そう言って岡崎先輩が右手を振り上げて私を叩こうとした。
叩かれる!と覚悟を決めたとき