「まぁ、聞いて。その話には続きがあって、高槻先輩は自分の名前を大玉転がしに書いた後、ペアの相手の所に結月の名前を書いて提出したんだって。そりゃ、委員会中びっくりするよね。一番驚いていたのが岡崎先輩。その岡崎先輩が高槻先輩に対して詰め寄ってさ。ちょっとした修羅場? 揉めてたのはその二人だけだよ」

私は黙って未菜の話を聞いていた。

「高槻先輩と岡崎先輩は幼馴染で普段から仲が良くて。高槻ファンクラブもあのマネージャーだったら納得、みたいな雰囲気もあるくらい。それが急に結月とペアって決めちゃうし。他の女子とペアになることが岡崎先輩の怒りに触れてるってことは高槻先輩以外の委員メンバーが理解してて。当の高槻先輩は岡崎先輩の怒りは自分がバスケに出ないことだと思ったみたいでさ。そんなに怒るなら、バスケも出るよ。だから怒るな・・・。と。」


「高槻先輩の行動が理解できない」

私は未菜にそう呟いた。