「・・・、ねぇ、七転び八起きってことわざ知ってる?何度転んでも最後には立ち上がるって意味。今、君は転んだけど、次は立ち上がれるんだ」
「な、なんの話ですか?」
「えーっと、その。言いたかったことは、きっと君は転んでもすぐに起き上がれる子になれる。俺が願掛けておくから。だから、泣くな」
「・・・? はぁ」
その人の言葉にどう返事していいのか固まっていると、
「なに言ってるか分からないね、ごめん。とにかく、受験は大丈夫だよ。絶対に合格する。」
と励ましてくれながら、
「涙拭いてから家に帰れよ。じゃ」
そう言ってその高校生は私が来た方向へ歩いて行った。