「まぁ、陽人くんのことは置いておくとしても、お友達の友哉くん、だっけ?高槻先輩にライバル心むき出しで睨んでたよ。あんなに分かりやすく気持ちを表現できるって、凄いね。若いっていいわぁ」

「若いって。一歳しか違わないでしょ」

友哉くんが高槻先輩に対してどんなライバル心があるのよ。

未菜は変なことを言うんだから。

「未菜、早く帰ろう」

私はこの話題を早く終わりにしたくて、未菜の手を引っ張り体育館を後にした。

それでも私はまださっきの出来事が頭から離れなくて、思い出すたびに顔が熱くなって。

未菜との帰り道は何をしゃべって帰ったのかも覚えていなかった。