恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい
落ちた瞬間の真っ青になっていた顔が真っ赤になって。
「ふはっ!一気にしゃべったな。階段で落ちてくるとか、マジで心臓に悪いから勘弁して」
「は、はい。すみません」
「・・・おまえさ、俺の名前知ってるんだ?」
「はい。友達から聞きました。いつかお会いした時に栞のお礼を伝えたくて」
「あぁ、そう言うことか。俺に興味を持ってくれたのかと思った」
「はい、あ、いえ。ん?はい、かな。会いたいと思ってましたよ」
私は先輩にしか聞こえないような小さい声でそう言うと
先輩の顔が少し照れたように見えた。
「もう転ぶなよ。おまえ、そんなに何度も転んでたらそのうち大怪我するぞ」