未菜に突っ込まれて自分が無意識に高槻先輩を探していたことに気づいた。

もうこれ以上からかわれたくないから、私は足早に一階への階段を下りた・・・・っと!

階段の残り三段の所でつま先を引っかけてしまい前に倒れそうになって。

たった三段の高さなのにビルから落ちるかのような錯覚がして、「キャッ」と言いながら目をぎゅっと瞑った。

『落ちるーー』と思った瞬間、体がフワッと誰かに包まれたような気がした。

階段の上からは未菜の「きゃー、ゆづきーーーー」っていう叫び声。