「結月は高槻先輩を知らないみたいだから教えてあげるけど」

と、目をキラキラさせながら話し出すともちゃん。

「名前は 高槻翔(たかつき しょう)一つ上の先輩。秋にあった文化祭のミスターコンテストで優勝したんだよ」

ともちゃんの話の続きをゆきちゃんが喋る。

「高槻先輩は凄くモテるんだけど、この間のバレンタインでは誰のものも受け取らなかったんだって。硬派だからなのか、彼女がいるから受け取らなかったかは、分からないの。とにかく非公認のファンクラブまである程だから、私たちのような一般市民が声を掛けるなんて百年早いってわけ」

へぇー、そんな人がこの学校にいたんだ。

文化祭のミス・ミスターコンテストは興味がなかったからステージを見に行かなかったし。

お礼を言うのは偶然会った時でいいかな。