「私が昨日栞をなくして、それを高槻先輩が拾ってくれただけのことだよ」
私は今朝の出来事を三人にそう説明した。
「なんで高槻先輩はその栞が結月のものだって分かったの?」
ともちゃんが質問をしてきた。
「それは栞に名前書いていたし・・・。」
私がそう答えたところで、私以外の三人が顔を見合わせて首を傾けた。
高槻先輩はなぜ「立花結月」の顔を知っていたのか、という三人の疑問。
「今朝、未菜と栞をなくしたって話しながら登校していたから、その会話が聞こえて、栞の名前の 【立花結月】=【私】 に繋がったんじゃないのかなぁ」
三人は『うーん、なんか違うような気もするけど』と、イマイチ腑に落ちていない様子。