走り去って行くイケメンさんの後ろ姿が見えなくなって、ふっと手渡されたものを改めて見た。
「えぇーっつ!あったよ栞!嬉しい。あの人拾ってくれたんだ。どこにあったんだろう」
あっ、栞を拾ってくれたお礼言えなかった・・・
「ねぇ未菜、あの人が誰なのか知ってる?」
「はぁ~」
未菜の盛大なため息。
「結月。あなたは高槻先輩を知らないの?あんな爽やかイケメン。学校でも一位、二位を争う程人気のある先輩だよ」
「スミマセン。知りませんでした」
そんな会話をしながら歩いていると学校に着いた。
同じ時間に登校してきたクラスの友達と合流したので私たちの話は一旦終了。
「結月、高槻先輩の話はまたあとでね」
って未菜の顔が意地悪に笑っていた。