うわ、この人かっこいい!
背も高いし、イケメンってこう言う人のためにある言葉だよね。
学年は違うのかな、学校で見たことないし。
そんな感想を心の中で考えていると、未菜が私とその人を交互に見て、
「えっ、結月、知り合い?」
「はっ?いや、知り合いではない・・・。えっと、なぜ私の名前を?」
「これ、落としただろ。名前が書いてあったから。はい」
目の前のその人は私へ何かを差し出した。
差し出されたものは私が探していたカンガルー型の栞で。
えっ?なんで?なんでこの人が私の栞を持っているの?
疑問に思いながら栞を受け取った。
そしてその人は目線を私の膝に移すと
「ぷはっ!派手に手当てしてんなー。その絆創膏目立ちすぎ」
そう言うとくるっと前を向き直して駆けて行ってしまった。