「結月おはよう!はい、友チョコ」

登校してくるなり私にチョコレートをくれたのは親友の未菜。

未菜はすごく美人さんでクールな性格。

誰とでも仲良くなれるし、男女問わず人気がある。

私はというと、見た目は普通、性格も普通。

特に目立つわけでもなく、ごく一般的などこにでも居そうな女の子。

でも未菜だけはいつも私のことを可愛いって言ってくれるんだ。

「おはよう、未菜。私からも愛たっぷりの友チョコだよ」

「結月、まさかだけど、架空の彼にチョコレート渡せるかも、って期待してもう一つチョコレート持ってきてない?カバンから見えてるし」

うわっ!未菜に見られた!

持ってきたことは内緒にしておくつもりだったのに。

「こ、これは弟にあげようと思って・・・」

「ふーん、弟にあげるなら家であげられるよねぇ」

未菜がニヤっと笑って何か言いたそうだったから、咄嗟に

「早く大樹くんのクラスに行ってチョコ渡して来たら?きっと大樹くん、首を長くして未菜のこと待ってると思うよ」

って話題を変えた。