松本駅に到着したときはもう辺りは暗くなっていて。

ここから総合病院への行き方が分からないからタクシーを使った。

駅から15分ほど走ったところに病院はあって。

病院に着いた時はもう8時で、当然正面玄関は鍵が掛かっていた。

裏側の“夜間救急窓口”に行ってみると、救急車で運ばれてきた人の処置のためか、看護師さんたちが忙しそうにしているのが見えて。

救急の人以外は病院へは入れないと断られた。

どうしよう、ここに来たことは翔に伝えられていない。

何度電話しても翔の電話は電源が入っていない様子だった。

翔のお母さんは大丈夫かな。

真っ暗になった病院前のバス停のベンチに座り、どうしようか考えた。

とりあえず松本駅まで戻って、ビジネスホテルに宿泊して明日また病院へ来てみよう。