「あっ、ありがとうございます。お騒がせしてすみません」

そして私が転んだ拍子にロータリーまで飛ばしてしまった三角コーンを指さして

「・・・あの三角のヤツ、壊れてないですか?」

「あはは、三角のヤツって! あれは頑丈にできてるから大丈夫だよ。三角のヤツより自分の心配して。ケガの手当てしなきゃ。血が出てるし」

そう言われて指をさされた膝を見ると、出血していることに気づいた。

「こ、こんなの心配ないです。家すぐそこですし、帰ってから手当てしますので。心配してくださって、ありがとうございます!」

「本当に大丈夫?」

「はい、大丈夫です・・・・。」

そうだ、助けてもらったお礼に何かないかな?

さすがにあの時のようにミカンは持ってないし。

そうだ!持ってるじゃん、いいもの。