それにしても私はしょっちゅう転ぶ。
カバンから飛び出した荷物を拾っていると、頭の上から
「大丈夫?膝、ケガしたんじゃない?」
工事現場の人が声を掛けてくれた。
街灯が逆光になっていて顔はよく見えないけど、心配してくれているのは伝わってきた。
「立てる?ほら、つかまって」
と言いながらその人は私を起こそうと手を差しのべてくれた。
駅前の帰宅ラッシュの人ごみの中で派手に転んじゃって、私、恥ずかしすぎる・・・。
顔を上げられないよ。
私はうつむいたまま差し出してくれたその手の力を借りて起き上がった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…