高槻先輩は私に「もう少しこっちに来て」とベッドサイドまで来るように促す。

私はそれに応じてベッドから足を床に下ろし、先輩と向かい合うように座りなおした。

すると先輩は座っていた丸い椅子から私の左隣へと移動して、

「ねぇ、結月。やっと気付いた?」

そう言いながら私の肩を右手でグッと掴み抱き寄せるから、私の左半分が先輩の体ぴったりとくっついた。

フワッと高槻先輩からあの時と同じアクアマリンの香りがした。

「せ、先輩、何してるんですか?」

私は先輩の体から離れようと両手で先輩を押すけど、先輩の腕がそれを許してくれない。