3日前のチシュウと英雄の会話。

英雄「なんで、なんで好田大血をそんなに嫌うんだ?チシュウさん?何か理由でもあるのかい?」
チシュウ「そりゃあるさ。好田大血が丸くなって好青年みたいになったのは5年前くらいから。
それまでの好田大血は本当に悪かった。私も好田とは何度もやりあっている。この私の顔のキズ
は好田からつけられたものなんだ。好田はパトリック・マネランの一番弟子。パトリックに気に
入られた理由は、好田は極悪非道で悪い奴だったからだ。パトリックに似て、卑怯な手段ばか
り使い、たくさんの人を苦しめてきたんだ。ホームレスを半殺しにして、金を奪ったり、夜回り
といって居場所がない少年少女たちに覚せい剤を教えたり、ろくでもないことばかりしていたん
だ。黒いマスクをかぶり、サングラスをして、顔を知られないようにしながらな。しかし、
5年前から何か好田はいきなり変わった。何があったかはまだ知らないが、風邪を劇的に治す
薬を開発して、社会貢献したり、世界最優秀人類賞に出場して3連覇して、有名になって、
ファンクラブを作り、その会費でホームレスに炊き出しを行ったり、サッカー場をつくり、
サッカーチームを作ったり。日本や世界のためになることをたくさんするようになった。なぜ、
そんなに変わったか、理由が知りたいが。今までとても悪かった奴をオレがいきなり許すことな
どできないのだ。」英雄「そうか。昔の兄貴を知らなかったから。そんな過去があったんだ。
でも、それでも・・・」

パトリック・マネランの屋敷

パトリック「大血よ。改心してまた私の弟子にならんか?今なら、裏切ったことは忘れてやる
ことも考えている。お前はとても貴重な存在だ。私が朝日英雄に負けないで世界を操るために
お前の力がとても役に立つ。お前は5年前から変わってきてしまったな。私のやることに不快感
を示し始めた。大人になるにつれの反抗期や自我の目覚めってやつかとほっておいたら、私とは
縁を切るなんて言い出した。しかし、好田。お前はまだ私には及ばない。私のが戦闘能力は上だ。
だから、今、私にこうやって捕まっているのではないのかね?また、私の元に戻ってきてはくれ
ぬか?

好田大血「断る。あなたは最低な人間だ。私は朝日英雄側についた。たとえ、命を取られようと
あなたの思い通りになることはない。私にもプライドがある。殺すなら殺せ。ANTウイルスを
使うなんて正気じゃない。人類増加は90億人を超えたら、少しずつ減っていく予測だ。それな
のに、早まって人類を削減しようとしてウイルスをばらまくなんて。命をなんだと思ってる?
人の命や人生を奪う権利など貴様にはない!朝日英雄側に貴様もつけ。英雄は、我が弟はきっと
世界を救ってくれる。お前と違ってな!!!」

パトリック「教育が必要なようだな。必ずまた私の部下にしてやる。軽く痛めつけないとダメ
みたいだな。おい、鞭をもってこい。」

「パン!」好田大血「グアア!」好田大血は悲鳴を上げた。パトリック「いくら時間がかかって
もいい。好田に従うと言わせろ。それまで、鞭で痛めつづけろ!!!」チョウヌンヌン「はい。
承知しました。」

好田大血はピンチを迎えていた。


「私は好田大血。今、パトリックに逆らい、鞭打ちにあっている。私は今までたくさんの
悪いことをしてきた。正直、義理の父にはいい顔して、裏では顔がバレないようにしながら、
たくさんの極悪非道なことをしてきた。しかし、私の闇の妖精、ダクリーから私の本当の正体、
弟の英雄の存在などを知らされ、私は改心した。自分にはこんな使命があったんだと今までの
行動の償いをしようと必死になった。その結果、今のような実績を作ることができたが。
私は悪の言いなりにはなりたくない。死んでも構わない。正義の男として死んでいきたい。
パトリックはきっと英雄が倒してくれるだろう。やっと私の死に場所が見つかったようだ。
俺は英雄の存在を知らなければ、きっと悪人のまま死んでいただろう。だから、今度は私が
英雄のために生き方の見本を見せる。そして、正義のためにパトリックによって
散っていったみんなに死んで天国に行った時に顔向けできるように、私は・・・絶対に正義を
貫く。正義を捨てない。悪がはびこる世界だけは許せない。たとえ、死んででも、私は正義の
人間のまま人生を終えたい!!!パトリックによって地球は泣いている。私は絶対にパトリック
の思い通りにはさせたくない。私が死ねば、英雄は怒って、その怒りの力でパトリックを倒して
くれるかもしれない。オレの死は無駄にならない。私は地球を幸せにしたい。私は地球を愛して
いるから!!!」

パトリック・マネランの要塞に侵入するために、朝日英雄、ロカロ、ニャン吉、ダクリー、
ソルキーライチ、角田アキコ、アゲハの7人は攻略方法を考えていた。要塞は大きな星型の
形をしていて、パトリック・マネランの紋章そのものの形をしていた。

5人の特殊部隊がマシンガンと電気警棒を持って警備している。英雄たち7人は飛行機を
降り、ソルキーライチが雷をその警備している特殊部隊5人に当てまくり、失神させるという
作戦はうまくいくかと思いきや、絶縁性の警備服を着ていたため、失神しなかった。
ソルキーライチ「くそ、なんで効かないんだ?おかげで警戒されてしまった。どうする?」
するとある一人がこんなことを言いだした。「あたいが身代わりになる!!!」そう、角田
アキコだ。正義のためなら命を投げ出すことすら全くいとわず、500人のヤンキー集団の
部下のトップも務めたことがある喧嘩に自信がある奴だ。英雄「アキコ、大丈夫か?
」角田アキコ「見ててみな。はああああああああ!!!」角田アキコは腕を交差させて念じ
はじめた。すると、警備員たちの足元からつぎつぎと草や葉っぱが出てきて、警備員たち5人を
草などが縛り上げて身動きできなくしてしまった。角田アキコ「へっ、どんなもんだい!!!」
アゲハ「やるじゃない。アキコ。見直したわ。使えない奴だと思っていたのに・・・」角田アキコ
「なんだと?アゲハ?喧嘩売ってんのかよ?あたいだって世界平和のために今まで役に立てる
この時を待っていたんだからよ。」ダクリー「じゃあ、行きましょう。」すると、警備されてい
た大きな鉄の扉があった。むりやりこじ開けるのは絶対に無理だ。カードリーダーがついている。
アゲハ「カードリーダーがあるということは扉を開けるための解除カードが必要みたいね。」
アゲハは警備員たちに聞いてみた。角田アキコの植物の力で動かなくしているため、一方的な
尋問が可能になっていた。アゲハ「あなたたち、痛い目にあいたくなかったらちゃんと答えな
さい。扉はどうやって開けるの?カードキーはどこにあるのかしら?」警備員「
あのカードリーダーは
フェイクだよ。本当は音声認識にになっていて、パトリック様か好田大血様の声紋認証で開く
ようになっているのです。助けてください!!!」警備員2「バカ、本当のことを教えるバカ
がどこにいるんだ?パトリック様にひどい目にあわされるぞ?」警備員「いいさ、おれ、こんな
危険な仕事、辞めたくて仕方なかったんだ。」
アゲハ「それ本当なの?ついてるわ。」
アゲハはいきなり好田大血の声を物まねで出した。アゲハ「この扉を開けろ!!!・・・ダメ
ね。じゃあ、これは?開けゴマ!!!」何回か試行錯誤しているうちに・・・アゲハ「ロック解除!!」
すると、扉の赤い点灯ボタンが緑色になり、ピーッと音がした。「ロック解除しました。ようこ
そ、好田大血様。」英雄「ええええええ?本当に開いた。アゲハさん。あんた、好田のものまね
ができたんだね?すごい本人にしか聞こえなかったよ。ものまね得意なんですか?」角田アキコ
「ああ、アゲハはもともと声優を目指していたからな。どんな声でも出せる発声のプロだ。あた
いもそこだけは認めてるんだよ!キャビンアテンダントにならなければ、今頃、この国のトップ
声優になれていたかもしれねえな。歌ももちろん上手でカラオケでも100点を160曲くらい
出したことがあるんだよ。音程やものまねの質はかなり高けえな!!!」ロカロ「意外だね。
アゲハさんと角田さんが来てくれて本当によかったよ。!!!」

7人はそそくさと要塞の中に侵入していった。

英雄「くそ、広すぎてどこに向かえばいいのか?どういう構造になっているのか?」
ダクリー「それについては心配ありません。私が覚えております。こっちです・・・・」

10分ほど走った後に、ついに好田大血がいると思われる部屋にたどり着いた。
木製の扉だったので、英雄はその扉をキックで蹴破った。英雄「兄貴ーーーーー!!!」
部屋に入ると、好田大血が奥に見えた。鎖かなんかでつながれ、妖精の能力を無効化して使えな
くする「アステカ石」の手錠がかけられている。英雄はボロボロになっている傷だらけの好田
大血を見て、すぐに近寄ろうとすると・・・「近寄るな!!!そいつから離れろ!!!」
その声は好田大血を痛めつけた鞭を持ったパトリックの部下、チョウヌンヌンだった。
英雄「お前が兄貴を・・・なんてひどいことを!!!」好田大血は意識があり、英雄に話かけた
。好田「英雄か?すまん、俺のために来てくれたのだろう?俺がふがいないばかりに。」
英雄「兄貴、今、そいつを倒して助けてやるからな!!!」チョウヌンヌン「お前らはここで
全員・・・アババババ」なんと、アゲハが警備員から奪っておいたマシンガンでチョウヌンヌン
をいきなりハチの巣にした。チョウヌンヌンはあっけなくすぐに動かなくなった。
アゲハ「よくも!!!よくも!!!好田様を拷問にかけたわね!!
!死になさい!」アキコ「もう、そいつはほっておいても死ぬわ。あえてトドメさすこともない
わよ。アゲハ。」アゲハ「だって、ムカつくんだもの。あの好田様をボロボロにしやがって!!
!!!」アゲハは涙を流しながら怒っていた。

英雄は好田に近づき、チョウヌンヌンから奪った鍵でアステカ石と手錠を解除した。
好田はダクリーに抱きしめられた。ダクリー「好田おぼっちゃま。会いたかった!!!」
好田大血「お前が英雄たちの助けを呼んでくれたのか?」ダクリー「そうでございます!!!」
好田大血「ありがとう!!!」角田アキコ「好田、ちょっと来な!!!」角田アキコは好田を
呼んだ。角田アキコ「私の妖精グリーンペルは植物などを操る力があるんだけど、同時に癒しの
力も持っているの。グリーンペル、好田のケガを治してやりなさい。」グリーンペル「はい、
アキコ様。」グリーンペルは好田の体を強く抱きしめた。グリーンペル「失礼します!!!
好田様。」そうすると、好田の傷はみるみる回復して、見えなくなった。好田「ああ、痛んでた
傷が完全に治った。ありがとう。アキコさん。」角田アキコはグッジョブと手で合図した。
グリーンペルはあの天才好田大血の体に触れられて幸せそうな表情を浮かべていた。

好田大血は英雄と再会した。好田「実はマネランはここにはもういない。逃亡した。それより
迷惑かけてすまん。お前に2度も助けられる日が来るとは夢にも思わなかったよ、死ぬ覚悟は
できていたんだがな。パトリックの言いなりになり、世界を不幸にするくらいなら死んだほうが
マシだろ?」英雄「違う!大事なのは生きる覚悟だろ?生き延びて世界に貢献しようとしたほう
が死ぬよりよっぽどカッコいいし、大事だわ。なんでも死ぬのが美徳と思うなよ!!!悲しむや
つがたくさんいることを忘れるなよ。かっこ悪いことしてでも、恥ずかしい思いしてでも生き抜
くほうが大事だ!!!」好田大血「俺が間違っていたようだ。お前に説教される日がくるとは
・・・・痛っつ!!!」英雄「あれ、また傷が出てきたぞ?なんでだ?」角田アキコ「あたいの
傷を癒す能力はあくまで一時的なものだからな?また傷が開いたんだよ。」ダクリー「それじゃ
あ、あまり意味ないじゃないか?なんて役に立たない能力だ。」角田アキコ「すまねえな。でも
少しは回復するのは間違いねえよ。」


好田大血「一応、そいつのために救急車呼んでくれるか?おい、角田アキコさん。その
倒れている奴や治療してやってくれ。」角田アキコ「こいつは敵だろ?なんで治すんだよ!!」
好田大血「チョウヌンヌンはパトリック・マネランに行動操作されているだけなんだ。本当は
とてもいい奴なんだよ。」アゲハ「そうなの?思い切りマシンガンで撃ちまくってしまったけ
ど、死んでないかしら?」好田大血「防弾チョッキ着ているから、少し負傷はしているが、命に
別状はない。撃たれたショックで驚いて気絶しただけだろう。」英雄「パトリックの奴、許せ
ねえーーー!!!必ず吹っ飛ばす!!!」

朝日英雄たちは要塞を抜け出し、本拠地である日本へと帰ってきた。

好田はとある病院に入院し、ケガした体の治療をしてもらっていた。病院では好田が超有名人だけ
あって、見舞客や見舞品が後を絶たずに、限られた人しか出入りが許されずに、たくさんの警備
する人が動員された。手紙1万枚、千羽鶴8000個、見舞客15000人。世界的スーパー
スターだけあって、好田がケガして帰ってきた時は、大ニュースになった。しかし、好田は
パトリック・マネランたちのことは極秘にしておいた。好田がパトリックの一番弟子というのは
世界的に有名だが、パトリックを裏切ったことは世界中が知らなかった。好田は世界に動揺を与
えないために、自らの手でパトリックを葬ると自分に誓っていた。

入院して一週間後、英雄が大きな花束を持って、見舞いに訪れた。これもすぐに大ニュースに
なった。英雄「よっ、元気か?兄貴?」好田「ずいぶん、たくさんの色とりどりの花だな。その
花はナオスの花じゃないか。ショルンという国にしか咲かない特産品だよな。まさか、私のため
にわざわざショルンまでいって用意してくれたのか?」英雄「ナオスを治すにかけてな。早く
よくなってほしいからな。」好田「ナオスは今の時期は咲いてないんだぞ?それに貴重でとても
入手困難な花だ。これを用意するのは大変だったはずだ。」」英雄「6日間、探し回ったよ。で
も、兄貴のために、どうしても用意してあげたくて・・・。昨日ギリギリ手に入れられたんだ。
どこの店も売ってない、売らないって言いはって大変だったぞ。」好田「ありがとう・・・・」
好田は静かに涙を流しながら、弟の思いやりに感動せずにはいられなかった。



「英雄は世界の王としての仕事を本格的に進めることになる。相変わらず所在不明なパトリック
のことは一旦、忘れて、ワールドキングとして様々な仕事を開始した。」

世界の法案、法律、決まり事、ルールなどを定めるとき、英雄というキング一人の独断ではなく
全世界のトップの首脳たちとの票選挙により決定されるのが基本だ。英雄に50票、200か国
の国の首脳ひとりひとりに1票ずつ。全体票は250票。何か法案を通すとき、みんなの意見を
聞き、賛成か反対か、票を投票させるようにする。全体250票のうち、賛成が過半数の125票を
超えれば、その法案は可決されて、全世界に流布される。逆に反対が125票を超えたら、その
法案は保留になる。みたいな感じの政治方法を英雄が考え出し、その
やり方をすることにした。いかに世界の王様といえど、自分勝手な法律を作り、独裁者になるの
を防ぐために、全世界の国々のトップにも選挙権を与え、意見を聞くという形にしたのだ。あく
まで民主主義、全世界がよりよい方向に進むのが英雄の願いであった。

英雄は仲が悪くなったチシュウには相談できないので、ジュリーに相談した。
英雄「ジュリーさん。すごい大胆な考えなんですけど、自分なりに考えたことがあって・・・。
実は、地球を良くするには他の星の文明の力を借りるしかないと思ったのですが。自分たちの、
人類たちだけの力じゃ、もう地球は修復できないくらい環境破壊などが進んでしまっています。
ジュリーさんたち宇宙人は他の星に宇宙船で行って、他の星の宇宙人たちの力を借りることって
できないでしょうか?」ジュリー「つまり、自分たちじゃ何もできないから宇宙人たちの力を
借りるってわけね。」英雄「ダメですか?ジュリーさん。地球を救うには助けてもらうことも
必要になってきます。嫌でも。そういう手段はダメですかね?」ジュリー「まずは、自分たちで
できるかぎりのことをしてからそういうことは言いなさい。まだ、人類は努力できるところが
たくさんあるのに全然そういうのをしてないで、甘いわよ。できることをやり尽くしたら、また
相談してちょうだい。あなたのお手並み拝見ってことで、あなたのやり方を見ているから。」

英雄は結局、宇宙人たちの協力は期待できないことが分かった。それより、自分たちにできるこ
とを全てやってからじゃないと話にならないということだ。どうしよう。何から始めればいい?
英雄はずっと考えていた。

結局、一週間経っても全く大したアイデアが思い浮かばずに、英雄は自信を失いまくっていた。
英雄「ダメだ。何から始めたらいいか分からない。私は政治のプロじゃないし。今まで素人だっ
たのがトップ・オブ・ザ・アースを優勝してから・・・・いきなりワールドキングになっただけ
なんだ。深く考えてはますますアイデアが思いつかない。」

英雄は1人で夕食を食べるために、行きつけのステーキ屋さんに
出かけると、なんとチシュウを偶然見かけた。英雄「チシュウさん!!!」」
チシュウ「なんだ?馴れ馴れしいな。地球プロジェクトから破門されたからもう面倒見てやらん
ぞ?何の用だ?」英雄は好田大血を助けたことをチシュウに話した。チシュウ「それに関しては
すでに知っている。ジュリーから聞いた。好田とパトリックの仲間割れだろう。放っておけば
よかったかもしれん。」英雄は一瞬、反論したくなったが、自分のプライドより地球のためと
思い、チシュウに土下座してお願いした。英雄「お願いします。チシュウさん。助けてください。
やはり、あなたがいないと私は何もできないひよっこなんです。ワールドキングになってから
結局、何していいか分からなくて焦っています。何もしないキングと世間から言われているよう
な感覚です。助けてください。お願いします。」チシュウ「それでは、好田とは縁を切れ。そう
すれば助けてやる!!!」英雄は兄貴である好田と縁を切れと言われ、戸惑った。しかし、
地球をこれからキングとして改革していくにはチシュウの、宇宙人たちの力が必要不可欠。
どうしよう。一瞬、迷ったが、英雄は・・・「分かりました。好田とは会わないようにします。」
チシュウ「それでいい。好田と会うと、お前に様々な危険が及ぶだろうからな。ついてこい。」

チシュウは英雄を宇宙人たちが使う特殊な宇宙船に乗せた。チシュウ「世界の王としてまず、
貧困を無くすということをしてみたらいい。地球にはない超高度な技術を持った惑星である
「サトシエンサコリャー」にこれから行く。地球から30万光年離れた惑星だ。
その惑星から地球に使えそうな技術を借り、輸入させても
らうのだ。私はサトシエンサコリャーのトップと知り合いだ。例えば、そこにはワープ装置と
言われるものがある。物を一瞬で瞬間移動させられる。どんな遠い距離でも光速でな。それを
使ったりして、アフリカなどの貧困に困り、食糧が無く、餓死している人間たちのために食料を
送るということをしてみたりとか考えていたんだが。超巨大なワープ装置などを使ったり、
ワープ装置を大量生産してもらい、地球に持ってきて、食糧を世界一捨てている国である日本に
食べない余った食料を全てアフリカに送れるようにワープ装置を用意させて、アフリカに食糧を
送る。そうすることで、アフリカの食糧不足で困っている人達を助けることができる。
また、超巨大な二酸化炭素を酸素に変える機械により、地球温暖化を防いだりとか、いろいろと
地球のために役に立つ道具があったりするんだ。地球では、混乱を防ぐために、英雄など人間が
発明したことにして、どんどん利用していくということを考えているんだが。」英雄「ワープ
装置。考えてもみませんでした。私が考えていたのは核兵器を全世界から無くす、ということ
くらいで。または、深刻な水不足を解決するために海水を飲み水に変える技術の開発とかそんな
ことしか思い浮かばないです。アフリカの食糧危機問題や餓死している人たちについてはどう
救えばいいか、ずっと方法が思いつかなかったんですが。すでにある慈善団体などに寄付したり
することはできますが、現在、地球上にある慈善団体の力だけじゃ全然足らないし。全てを救う
ことは不可能だし。もともと。どうしようか悩んでいたんです。やはり、他の超高度文明の星の
宇宙人たちの力を借りるしかないなと思いました。それが一番手っ取り早い。もう、人類はそろ
そろ自分たち以外の文明の存在、宇宙人の存在を認めるべきだと思いました。」英雄たちは
チシュウのプライベートジェット機で惑星「サトシエンサコリャー」に行くことになった。
チシュウのプライベートジェット機は宇宙船でもあるのだ。宇宙空間をそのまま旅することが
できる。今、宇宙空間を移動中である。英雄は窓から映る地球の姿に身震いした。英雄「キレイ
だ。これがあの地球。本当に青い。写真ならいくらでも見たことがあるけど、実際に実物をこう
やって見てみると、全然感動が違う。なんだろう。この、壮大な感動は。」チシュウ「後で月
を通るから、それも見ておきなさい。人類は月旅行を本気で計画し、できるまでになってきてい
るが、費用が高額だし、限られた金持ちしか人類の技術では行けないし、まだ実用化まで数十年
かかるだろう。貴重な体験ができてよかったな。英雄!!!」英雄「はい、不思議な感覚です。
これが私たちの故郷であり、愛すべき星、地球なんですね。言葉では全く表現できない深い
雰囲気を味わっています。この神秘さ、不思議さ。今まで体験したことがないです。別格の感動
を今、味わっています。」チシュウ「ワープ技術により、5分で行くこともできるが、しばらく
宇宙空間の旅を楽しむために、3時間くらいしてから、ワープしよう。それまで、宇宙空間での
旅を楽しみなさい。様々な星たちが光輝いていてキレイだぞ?」英雄はずっと言葉を失ったよう
に窓を覗いていた。英雄「最高すぎる!!!」

ワープしてチシュウ行きつけの惑星「サトシエンサコリャー」に着いた。