英雄は久しぶりに実家に帰ってきた。が、誰もいない。リビングの机には置き手紙が置いてあり、
それを読んでみた。

英雄へ

「私たち、パパとママは結婚記念日にモノリス諸島に行ってきます。10年は帰ってこない
つもりだから、一人暮らしがんばってね!!!応援してるよ!!!ちなみにママは白いキレイな
ドレスを買ったのよ。必要ないかもしれないけど、わたしのわがままから2度目の結婚式をあげ
ることになったから、やっぱり結婚式と言えばモノリス諸島に決まってるじゃない。あなたが
独り立ちしてくれてママはとても嬉しいわ。おかげでめんどくさい子育てから解放されて自由に
旅ができるのだから。弟の皇帝は16歳なのにエジプトの予言の書が発掘されたところに行き、
まだエジプトにはたくさんの伝説のものが隠されているからって、発掘アルバイトに行ってる
わよ。全く頼もしい限りよ。この手紙を読むころには腐っていると思うけど、あなたの好きな
ママの手作りケチャップソースハンバーグを大きいの2個作って、ラップして置いておくから
あまりに飢えに困っているようなら食べてちょうだい。ただ、腐りすぎていたら腹こわしたり
したら大変だから、残してもママ怒らないわよ?あなたがいない間はとても快適だったわよ~。
特に部屋が汚れなくて済んで掃除する手間がはぶけてね。あなた、ゴミをほったからしにする
天才だものね?何度注意しても治らなくて、ママにゲーム機壊されたりしたわよね?3回も。
それでも治らなかったから、家から追い出したりしたこともあったわよね?でも、すぐにママが
さみしくなって、外に探しに行ったりしたの。結局、どんな子も自分の子だと可愛いのよね。
3日間徹夜して作った私が編んだマフラーを置いておくわね。ピンク色なんてイヤかもしれない
けど、男の子でもピンク使っている人は素敵よ。女性が好きなピンクを使っているからモテる
かもしれないしね。とにかく、愛しているわ。この手紙を読んだら大事に持っておいてね。
10年、イヤ、30年は帰ってこないつもりだから、当分は会えなくなると思うのよ。大好きよ。
英雄。早く抱きしめてキスしたい気持ちを抑えて、私たちは旅に出ます。また会える日を楽しみ
にしているわ。ちなみにしゃべるネコを置いていくから、寂しかったらママだと思って可愛がっ
てあげてちょうだい。じゃあね。チュ!!!」

手紙には赤い口紅のキスマークがついていた。

英雄「なんだこりゃ?????30年旅に出る?バカじゃねえの?あいつら?2人そろってバカ
だな。ネコ?どこにネコなんているんだよ?世話するの大変じゃねえか。」

ネコ「二ャー!!!」英雄「お前か!!!!」英雄はネコを見つけた。ネコ「早く世話しやがれ
?バカもの!!!」英雄「ははは、生意気なネコだな~!!!しかしなんでしゃべれるんだ?」
ロカロ「この子、霊界から来たネコっぽいよ。霊界、つまり死後の世界。そこでは動物もしゃべ
ったりすることが可能な世界なんだ。大気を振動させてしゃべるんだって。」英雄「そうなの?
霊界から?つまり幽霊ネコってことか?ネコ、いや、ニャン吉、今日からお前の名前は
ニャン吉で決まりだ。だっこしてあげるからおいで。」ネコ「ギニャーーーー!!!」ネコは
思い切り英雄の顔を鋭い爪でひっかいた。英雄「痛ってーーーー!」英雄はネコを引き取り、
お世話し、飼うことにした。英雄「なるほど、幽霊だからこのネコは家で何も食べなくても
くたばらなかったんだな。それならつじつまが合うな。!!!」ニャン吉「早く、おいしいごち
そうを用意したまえ。半人前が!!!!」英雄「教育が必要かな?まずはしゃべり方から・・・
まずは50度の炎で拷問にかけて・・・」ニャン吉「ふん、できるもんならやってみろニャン!」
ロカロ「英雄、絶対にやっちゃダメだよ!!!」英雄「アハハハハ、分かってるよ、虐待なんか
オレがするわけないだろ?ただ、あまりに上から目線だから気に食わなかっただけだよ。まあ、
気にしないようにしよう。それより、親父もおふくろもいないなんてショックだよ。逃げられた
ような感覚だ。いきなり一人暮らししたからって10年も30年も旅に出ることねえのにな。寂しい
よ。久しぶりに抱きしめ合いたかった。親父にも。おふくろにも。辛えよ。」ロカロ「寂しさ
をまぎらわせるようにこれから仕事に集中していけばいいよ。世界のトップになったんだしさ。」

サングラスとマスクをつけて変装して朝日英雄は町を歩いていると、デモ隊に出くわすことも
多々あった。デモ隊「このトップ・オブ・ザ・アース大会は不正だ。好田大血が優勝するはず
だった。不正や買収が行われたに違いない。朝日英雄は本当の優勝者じゃない。朝日英雄、
好田大血に優勝をゆずれ!!!このトップ・オブ・ザ・アースをもう一度やり直せ!!!私たち
は断固として認めない!!!やり直せ!!!やり直せ!!!」みたいな声を拡声器を使い、
近所迷惑になりながらデモ行進しているのを見かけて、朝日英雄はいたたまれない気持ちになっ
た。朝日英雄「オレだって、好田大血と対決したかったよ。正々堂々と戦いたかった。なのに
あいつが棄権なんかしなければ。オレだって未だにあの大会は納得してないんだ。あいつらの
言いたい気持ち、痛いほどよくわかる。多分、好田大血が棄権しなかったら、間違いなく優勝し
ていただろう。俺は情けで勝たせてもらったようなものだ。本当に情けない優勝の仕方だ。好田
が棄権なんて。でも、好田が棄権したおかげで、好田はワクチンの開発に成功して、オレが持って
いた水の石を使い、ANTウイルスをワクチンの雨で消滅させて、世界を人類滅亡の危機から救え
た。だから、好田が棄権したことは正しかったんだよな。多分。」ロカロ「今度、また会った時
に戦ってもらえばいいよ。好田大血にどうしても勝ちたいならば。」英雄「勝ちたいに決まって
いる!!!あいつに勝たない限り、真の世界のトップとは言えない。オレは本当の世界の頂点、
世界ナンバーワンの人間になりたいんだ!!!」ニャン吉「なれるわけないニャン。好田は別格
ニャン!!!」英雄「えーい、ニャン吉、口にガムテープ貼ってしゃべれなくするぞ?」ロカロ
「それは意味ないよ?よく見てみな?ニャン吉がしゃべるときに口を開けてないでしょ?口を
開けないで発声ができるんだよ?ニャン吉は。」英雄「えっ、オレの観察不足か?じゃあ、なに
やったってその生意気な口が閉じることはないな。」ニャン吉「ロカロのが頭いいニャンね!」
ロカロ「いや、それほどでも~。」ニャン吉という新しい相棒が増えた英雄は、生意気といいな
がらも、ニャン吉と一緒にいて笑顔が増え、嬉しそうだった。


「私の名前は好田大血。ここにしか吐き出せない本音を書きたいと思う。私は今は経済的にも
能力的にも恵まれた生活をしているが、私はもともとは本当の親がいない。本当の父にも母にも
会ったことがない。私が0歳の赤ちゃんの時に、道路に置手紙と一緒に捨てられていたのを
今の義理の親父が拾ってくれたのだ。その義理の親父はとても人情味あふれていて、優しく、
とても私は愛情をもって育てられた。ただ、私は普通の人とは違うと4歳くらいの時から自分で
気づいていた。闇の能力者だったのだ。妖精「ダクリー」との出会いで一気に変わった。
もともと2歳の頃には小学生の算数を完璧にして、5歳で全日本格闘技選手権で優勝し、早いうち
から「天才!!!」ともてはやされてきた。妖精ダクリーは私の能力を上げるために、特殊な
宇宙人を紹介してくれ、その宇宙人が私を世界最優秀人類3連覇させるくらい私を成長させてくれ
た。そして、私はダクリーから衝撃的なことを聞いた。私はもともとは地球に転生してくる前は
全宇宙で最大の神だったらしいのだ。この全宇宙を創造したらしい。また、朝日英雄という男も
同じ全宇宙最大の神で、これからどんどん世界を変え、有名になるらしい。最近、ANTウイルス
のワクチンを開発し、朝日英雄と協力し、ワクチンの雨を降らせることができ、ウイルス災害は
終わらせることができた。今、世界ではなぜ、ウイルスが収まったのか。消滅したのか。それば
かりニュースになっているよ。「奇跡」と呼ばれているよ。本当は奇跡ではなく、私のおかげな
のに全世界はそれを知らないでいるよ。しかし、あの英雄とは霊的兄弟だったとは。英雄は私の
弟なのだ。私は英雄が月の石を持っていたから、なかばあきらめていたワクチン開発をする理由
になったので、トップ・オブ・ザ・アースを棄権した。ワクチンを開発する時間を作りたくてな。
だが、本当は英雄に一回、トップ・オブ・ザ・アースを優勝させて世界の王様とやらをやら
せてみたかったからなのだ。試してみたかった。我が弟なら、きっと私が棄権しても大会を優勝
してくれると信じていた。英雄がこれからどう世界を変えていくのか・・・英雄の活躍を見て
みたかったのだ。だから、私は棄権した。英雄が世界をもっと良い方向に変えてくれることを
願っているよ。これからが楽しみだ。それより、ANTウイルスをばらまいたあいつだけは絶対に
許すことができない。いつか必ず決着つけてやる。覚えていろ!!!ちなみに世界一好きな
人物は人類史上初めて月を歩いたあの人だ。ファーストマンと呼ばれている。今、一番好きな
俳優は裕次郎だ。また、今、一番好きな言葉は「運命に抵抗!」だ。早口で言うと、「夢見ていこう!」
と聞こえる。それがなんか好きだ。」



朝日英雄は「ワールドキング就任式」に出席するため、東京都の、とある巨大会場に来ていた。
朝日英雄のマネージャーはロカロであり、ロカロが人間の姿に化けて、様々な人と仕事のやりと
りを行っている。ロカロの人間の姿は赤い髪に白い肌に身長185センチのカッコいいハンサム
な男である。豪華な花たちに彩られて、装飾品や記念品の酒や
お菓子屋や焼き肉1年分や賞金100億円などが現金でそのまま置かれているので、30名を
超える警備員がいたり朝日英雄に国からプレゼントされたボディーガード6人も朝日英雄を守るために、
丸く取り囲むように朝日英雄の周りに立ち、騒がしいくてしょうがない中、就任式が行われた。
「ワールドキング就任式」には全世界200か国の首脳たちトップが日本に集結して、この会場に
来ていた。それだけに警備はとても厳重であった。レッドカーペットがたくさんひかれていて、
200人の各国の首脳たちがそれぞれ大統領専用機、首脳専用機、プライベートジェット機など
で日本に来た。この巨大会場の場所は200人の大統領たちや朝日英雄たちなどに選ばれた
全世界に中継で放送するためのテレビ局の人たちなど限られた人しか知らない。テロなどを
防ぐのが主な目的だ。200人の国のトップたちは「新たな世界の王様」を楽しみにはしてなか
った。本当はほとんどの人が世界一優秀と誰もが思っている、世界一の人間であると誰もが
感じている
「好田大血」に世界の王様になってもらいたかったのだ。だから、
険しい表情や納得のいかない表情をしている首脳たちもたくさんいた。英雄はその空気を
敏感に察知した。とてもやるせない気持ちだったが、英雄はこれから自分の手で世界が変わる。
世界を変えることができるチャンスを手にしたので、世界をよりよい最高の世界にしよう!!!
と強く想い、がんばりたい、できるだけ地球の、人の、社会の役に立ちたいとやる気満々だった。
朝日英雄はれっきとした日本人であり、全世界で朝日英雄はテレビでも新聞でもネットでも全て
の情報を総なめにして、世界一有名な人間になっていた。いわゆる時の人になっていた。
特に日本では、好田大血という同じ日本人が世界最優秀人類賞を3連覇したとき
日本は歓喜し、「日本最大の誇り」「日本史上最高の男」といわれた好田大血であったが、
それに負けないくらい、同じ日本人である朝日英雄がトップ・オブ・ザ・アースで優勝して、
「ワールドキング」になるということで、日本では熱狂的なお祭り騒ぎが全国で起こった。
それもそうだ。同じ日本人が、自分の国の人間が世界の王になったら、そりゃ誇りに思い、嬉し
くなるに決まっている。好田大血が棄権したとはいえ、実質「世界の王様」なのだから、朝日
英雄の注目度はずば抜けて高いものになっていた。好田大血は自宅の豪邸のテレビで、ペットの
ダルメシアンである犬「チャンタ」の世話をしながら、「ワールドキング就任式」の中継を
50インチの大画面のテレビでワクワクしながら見ていた。自分の弟が活躍するのが楽しみだし、
嬉しくて仕方ないらしい。好田大血「チャンタ、おいで!!!」思い切りしっぽを振り、
近づいてきたチャンタを抱っこして、飛び切りの笑顔を見せた。好田大血「英雄、見せてもらう
ぞ。これから自分の運命に立ち向かうその姿。」すると、好田の義理の父が姿を現した。
義理の父「大血よ。本当に弟である英雄くんにワールドキングをゆずってあげて後悔しないのか?」
好田大血「ええ、全く後悔しません。彼のほうが地球の平和を強く想っていますし、私は彼を
陰から助けられたらと思っています。それに英雄はまだ修行を初めて1年しか経っていないのに
私の3分の1くらいまで来ていました。以前、トレーニングを見ていたのですが。
最初は期待していませんでしたが、やはり霊的兄弟だけあって、血は争えないみたいです。
それにワクチンの雨を降らせるときに英雄がいなかったら、今頃、どうなっていたか。世界を
救うためには英雄が必要不可欠なんです。」義理の父「そうか・・・お前がそこまで人を気に入
るとはめずらしいな。」好田大血「数年前に私の闇の妖精であるダクリーから自分の正体、英雄
の存在を知らされ、びっくりしました。私にも弟と呼べる家族がいたのかと喜んだものです。
父であるあなたには本当に感謝しています。私も英雄と一緒に地球の危機を救っていくつもり
です・・・ん?父上?」「ドサッ!」いきなり父上が倒れた。好田大血「父上!!!
どうされました?
父上。」好田が義理の父に近づこうとしたが、意識が朦朧とした。好田「うっ、気持ち悪い!!
」好田は床に両手をついて、咳き込む。そして、徐々に意識が遠のいた。好田「お、おま、
おまえは・・・・何故?」この言葉を最後に好田もいきなり気を失ってしまった。
???「よし、連れていけ!!!」好田は何者かにさらわれてしまった。


朝日英雄の「ワールドキング就任式」

朝日英雄「皆さん、これから私が世界のトップとして指揮をしていくことになりますが、
独裁的になるようなことは一切せずに民主主義を基本に政治を執行していきたいと思います。
私はまだ政治の初心者ではございますが、平和を一番に考えていきたいと思っております。
私が世界の王になったからには、なるべく戦争は起きないように、難民問題や環境問題、
気候変動問題など、貧困、飢饉、社会格差など様々な問題に全力で取り組んでいきます。
全世界の国のトップは好田大血ではなく、私が王になったことを認めたくない人もたくさんいる
と思いますが、「おっ、この若者もなかなか好田に負けずにやるじゃないか?」と言われるよう
に努力していきたいと思っております。私、王の権限を正しく正義的に行使し、悪い王にだけは
ならないようにしたいです。残酷な選択を迫られる時がきたとしても、なるべく最善な方向に
進むように世界を指揮していきたいと思います・・・」

英雄なりに考えながらスピーチは5分くらい続いた。

英雄は話していると、ある幼い4歳の少女が乱入してきた。どうやら、ある首脳が連れてきて
しまったらしい。朝日英雄のところに少女は近づいてきた。すると英雄はこう少女に語りかけ
た。英雄「君がどんなに悲しみにくれていようと、私はどんなことをしてでも必ず君を幸せに
してみせるよ。それが、世界の王の精神です。」ワッ!!!と拍手が会場から自然に巻き起こ
った。

就任式が終わった。豪華な食べ物や賞金100億円は全て朝日英雄のものになった。
チシュウやジュリーやソルキーライチが駆け付けた。6人のボディーガードは解散させた。
チシュウ「なかなかよかったぞ。あの少女に言った言葉は君の本心か?」英雄「もちろん!!!
口だけじゃなく実際にこれから行動で示すよ。世界を変えるチャンスを与えられて最高に
やる気満々なんだ。」ジュリー「私がやった以上のことを成し遂げなさい。応援してるわ。」
ロカロ「ジュリーさんが成し遂げたこと?」チシュウ「ここでいう話じゃないが、実はジュリー
は別名、マルタス・ウォーキング。そう、2度目の救世主に似せた名前なんだが、実はジュリー
の前世はあの2度目、西暦1000年頃現れた救世主として有名なマルタ・ウォーニング本人な
んだ。」英雄&ロカロ「えええええええーーーーーーーーー!!!!!」英雄「つまり、ジュリ
ーさん、あんたあのマルタ・ウォーニングだったの?」ジュリー「チシュウ、今、何もこんな
場所で話すことないじゃない。ええそうよ、私はマルタ・ウォーニングだったのよ。前世で
マルタだったわけ。」ロカロ「すごい。そんな歴史的人物と会っていたなんて。最近、驚くこと
ばかりだな。信じられない。」英雄「ジュリーさん、あなたを見直しました!!!」ジュリー
「でもあなたのがすごいのよ。私よりも。だから、上から目線なのね?見直したなんて。」

話で盛り上がっていると、好田大血の闇の妖精である「ダクリー」がいきなり英雄たちの前に
現れた。ダクリー「こんにちは。みなさん。私は闇の妖精、ダクリー。実は大変なことが起き
ました。助けてください。」英雄「闇の妖精だって?どこかで聞いたような。」ダクリー「
あの好田大血の妖精ですよ。大変なんです。好田大血がパトリック・マネランによって連れ去ら
れました。」チシュウ「パトリック・マネランだって?なんで味方で弟子である好田を連れ去る
んだ?何か理由でもあったのか?」ダクリー「実はパネマに核爆弾を落とした時に、その落とし
た核爆弾に搭載されていた殺人ウイルス、ANTウイルスをパネマにばらまいたパトリック・
マネランに好田大血が激怒し、パトリックと縁を切りたいと提案したのです。それから、
パトリックと大血は
連絡すら取りあわず、疎遠な日々が続きましたが、いきなりパトリックが大血の家に侵入し、
大血を倒し、連れ去ったのです。チシュウ「やっぱり、アメリカが、パトリックが殺人ウイルスを
ばら撒いたんだな。やはりそうだったか。ダルメシアからの情報は正しかった!!!」
英雄「何?ちょっと待て!!!あの好田大血だぞ?世界格闘技大会でも優勝し
た、あの最強の好田が負けたのか?パトリック・マネラン?あの有名なアメリカ大統領だろ?
そういえばワールドキング就任式に奴だけ来ていなかったが。」チシュウ「パトリック・マネラ
ン。自分の野望のためなら卑怯なことも平気で実行し、手段を全く選ばない奴だ。奴は毒ガスを
操る能力者だ。また、格闘技も好田大血以上にできる奴だ。いくら好田でも毒ガスを使われた
ら、防ぎようがないかもしれんな。」ダクリー「お願いします。助けにいってもらえませんか?
好田大血がいる場所なら体内に内蔵されているマイクロGPSで分かります。」チシュウ「いや、
断る!!!好田がどうなろうが知ったこっちゃない。ただの仲間割れに付き合うほど暇ではない
。英雄も絶対に助けに行くな。好田より世界の王としての仕事を優先しろ。」英雄「・・・・・
・嫌だね。オレは助けに行く!!!ダクリー、兄貴の場所を教えろ!!!」チシュウ「英雄、
私に逆らうのか?好田は仲間割れしたとはいえ、あのパトリック・マネランに仕えていた一番
弟子なんだぞ?裏でどんな悪いことやっているか知ったもんじゃない。それでも助けに行くのか
?王としての仕事はどうなるんだ?ワクチンの雨を降らせてパネマを救ったとはいえ、
それはパトリックと好田の自作自演かもしれん。好田が世界を救ったみたいに見せかけようとし
て。」英雄「チシュウさん、あんたは兄貴のことがよく分かってない。それにオレたちは兄弟な
んだ。何があっても助けに行く。」チシュウ「好きにしろ。だがお前はもう破門だ。地球プロ
ジェクトは一切、お前には協力しない。」英雄「ご勝手に。」

朝日英雄と好田大血の闇の妖精「ダクリー」は好田大血の元に助けに向かった。
「僕も行く!!!」トップ・オブ・ザ・アース、ベスト4のソルキーライチも一緒に来てくれる
らしい。英雄「で?ダクリー、兄貴は今どこにいるんだ?」ダクリー「今、日本の右端を通過
しています。きっと、パトリックの旅客機で移動しているのでしょう。パトリックは好田おぼ
っちゃまに「アステカ石」を使って、闇の力を封じています。闇の力を使う前に、毒ガスか
なにかで気絶させられてしまったので、パトリックに敗北したのです。私たち妖精は、その
パートナーの能力者の人間に「アステカ石」をはめられると、能力が封印されて、使えなくなっ
てしまうのです。能力者がいて、初めて妖精は能力が使えるようになるのです。私は好田おぼっちゃ
まがすぐにやられてしまったので、私も戦いたかったが、能力を使えずに、無念にもあなたたち
に助けを求めることしかできなかったのです。頼りないのをお許しください。」ソルキーライチ
「とにかく早く俺たちも飛行機で移動しようよ。パトリック・マネランはアメリカ大統領なんだ
からアメリカに多分、向かうよ。まずは、アメリカに行けるようにしよう!!!」朝日英雄
「よし、トップ・オブ・ザ・アース優勝賞金の100億円でジェット機を買おう。なんせ、
あまり時間がないからな。チシュウが貸してくれるわけないし。」ダクリー「好田おぼっちゃ
まの飛行機がありますのでそれで行きましょう。」ニャン吉「操縦はワシに任せろニャン。」
英雄「いや、遠慮しておく・・・」

朝日英雄、ロカロ、ソルキーライチ、ダクリー、ニャン吉の5人を連れて、好田の飛行機に
乗り込んだ。操縦は好田大血の部下、カルチャルが行うことになった。カルチャルは好田とは
別行動をしていたのでなんとかパトリックの手から逃れたのである。カルチャルは料理好きな
好田のために、料理の材料を買い出しに行っていたのだった。カルチャル「申し訳ない。英雄
さんたち。私がついていればもしかしたらなんとかなったかもしれないのに。」朝日英雄「
兄貴を倒すほどの力を持っているんだ。パトリックは。だから、いくら部下のお前がいても多分
、結果は同じだっただろうよ。逆に飛行機を操縦してくれるから助かってるよ。兄貴と一緒に
いたら、一緒に連れ去られていたか、やられていたかもしれないからな。」カルチャル「は!
ありがたきお言葉、朝日英雄様。」5人は飛行機に乗っている間、好田大血の場所を確認しな
がら、戦術などを立てていた。英雄「兄貴、頼むから無事でいろよな・・・・」飛行機には
なんとキャビアテンダントのアゲハとその友達の角田アキコが乗っていた。以前、朝日英雄は
アゲハに会った時に電話番号を交換していたのだ。主に、アゲハには飛行機の管理、お留守番、
雑用を任せている。角田アキコはアゲハが寂しがらないように、一緒にいてあげるだけの存在。
だが、角田アキコはギャラに法外な値段を突き付けてきた。角田アキコ「時給10万ってところ
かな?アゲハはトップ・オブ・ザ・アースのキャビンアテンダント世界大会で優勝した天才CA
だからな。それくらい払えや!!!英雄ども!!!」ダクリー「なんですか?この男女は?
本当はアゲハさんの邪魔にしかならねえんじゃねえの?」ダクリーは険しい表情で角田アキコの
前に来た。すると、角田アキコは20秒くらい見つめられていただけで「グーガー」と寝てしま
った。ダクリーの能力の一つである。アゲハ「ごめんね。一番うるさいやつ、連れてきちゃって
さあ。でも、角田アキコは結構、単細胞に見えるけど、正義感が強くて、正義のためなら命をか
けられる女よ。いないよりはいたほうがいいわ。」ダクリー「本当かね?」

みんなを乗せた好田大血の飛行機はアメリカへと向かっていた。

好田大血の体内に内蔵されていたマイクロGPSは、アメリカのあるお城へと移動し、
落ち着いた。英雄「デカい。デカすぎる。まるで要塞だ。ここにあいつがいるのか?」
ダクリー「それは間違いありません。」