ロカロ「君の友達みたいなものだよ。これからよろしく。」英雄「なんでボクの体から炎が?ボクって超能力者だったの?」ロカロ「地球には様々な超能力者がいるんだよ。雷を操るものとか、闇を操るものとか。そんなにたくさんじゃないけどね。」すると、チシュウがいきなりプライベートジェットから瞬間移動して英雄の前に現れた。チシュウ「これから君とトレーニングを開始する。ロカロと仲良くしてやってくれ。こうやって自分の妖精と対面するのは初めてだろうから驚くだろうけどな。」英雄「超ビックリしたよ。妖精なんてまるでゲームの世界じゃないか。」チシュウ「そのとおりだよ。英雄くん。この世界はゲームの世界なんだ。これから現れる世界のトップである「トップ・オブ・ザ・アース」になれるのは一人なんだ。それに選ばれた挑戦者たちが全力を尽くして戦いながらその「トップ・オブ・ザ・アース」の座を手に入れるんだ。君もその挑戦者の一人なんだよ。全宇宙1の霊格を持っていてもこの世界では全く役に立たないし使えないとだけ言っておくよ。」

英雄「えっ、そうなの?霊格ってこの世界じゃ使用不可能なの?」チシュウ「そうだよ。死んで
霊界に行ったりしないかぎりはね。まあ、幽体離脱を覚えたら別だがな。様々な霊や天使たちと
交信できたり、10%くらいは意味があるかな。訂正するよ。」ロカロ「英雄、これからの訓練
は本当に大変だからね。覚悟できてるの?」英雄「なんで、そうやってプレッシャーをかけたり
するんだよ。もっと気楽に、楽観主義的にできるようにしろよな。」チシュウ「そうだ、気を
軽く持て。それは何事でも成し遂げる時の要だよ。とにかく、ロカロ、少し英雄をこの宮古島の
海に泳がせてやれ。水泳は体や肺活量を鍛えるのにもうってつけだからな。」ロカロ「はい、
分かりました。」ロカロにより守られていた英雄は、ロカロが炎の能力を解いたため、海に落ち
た。チシュウ「ここは足がつかないくらい深い場所だからな。まずは陸まで思いきり泳げ。」
英雄「ちょ、無理だよ。水泳なんて中学校の授業以来やってないんだから。溺れ、ゴボゴボ・
・・死ぬ・・・」結局、英雄は陸まで泳げずに、沈んでしまい、ロカロに助け出された。英雄
「情けない。申し訳ない。本当にこの先、「トップ・オブ・ザ・アース」なんてつかめるのかな?
チシュウ「つかんでもらわないと困る。君がこの星の王様になるためだけに私たちは数えきれな
い準備を今までしてきたんだからな。君は3度目の救世主として世界中で有名になるはずだ。」
ロカロ「よし、こうしよう。お腹が減ってきたから、英雄に魚を捕ってきてもらおう。素潜り
で。槍で。サバイバルだ。ただの釣りでは何のトレーニングにもならないからね。動いてまずは
100キロの体重を減らさないと話にならないよ。」英雄は鋭利な長い槍を持ち、泳いでいる魚た
ちをつぎつぎに仕留めていこうとしたが、30分経っても3匹しか釣れなかった。大きなブリや
金目鯛が取れたので焚火の炎をロカロの能力を使いながら、おこし、木材に炎を当てる練習
をしたりした。そして、原始的だが、魚を焚火で焼き、食べることに成功した。英雄は初めての
キレイで透明な海に感動してしまい、退屈だった毎日から新鮮な体験をしたので、とても精神
状態が良好になった。チシュウ「英雄は将来の夢とかないのか?」英雄「一番したいのは音楽
をつくること。歌うこと。ギターやピアノを演奏したり、バンドを組んだり、CDを出したり。
とかですかね。」ロカロ「叶うといいね。いつか。」何気ない休憩時間が癒しになった。

休憩して昼寝をしていると、チシュウの相棒であるジュリーが駆け付けた。ジュリー「どう、
チシュウ。うまくいってるかしら。」チシュウ「今、ロカロを紹介したところなんだ。炎を
さっそく使ったりさせたんだよ。」ジュリー「そうなの。英雄君、うまく泳げた?」チシュウ
「お前に似て、泳ぐのはめっぽう下手くそだな。だが、これから得意にさせてみせるよ。」
ジュリー「そう、それより嫌な報告だけど、トップ・オブ・ザ・アースのオーディションに
あの世界最優秀人類3連覇した好田大血が参戦するらしいわ。まあ、当たり前よね。その
オーディションは今から1年後に開催されるけど、それまでに英雄君は好田大血を倒せるほど
強くなることなんて本当に可能なのかしら?」ロカロ「僕の能力を極限に高めるための特殊
訓練が考案されています。1年で、かなり強くなることは間違いないですよ。まあ、好田大血
は1年後のオーディションで必ず優勝するでしょうけど、このオーディションは5年に1度に
必ず開催されるので、1回目は勝てなくても2回目に、最終的には勝てればいいのかなと思い
ますけどね。」ジュリー「好田大血を地球のトップにさせることは許されないわ。チシュウ、
急いで英雄を1年以内に、好田大血を倒せるくらいに強くさせなさい。」チシュウ「分かって
おる。」こうして、英雄の世界制覇の道はスタートしていくのであった。

好田大血はデカンタの赤ワインを片手に持ち、チシュウと英雄とロカロたちの訓練を特殊な
モニターで観察していた。好田大血「ふん、どんなに特殊な訓練を積んでいても俺を凌駕する
ことはできない。」そうつぶやきながら、豪華なフランス式の金で細工された机に置いてあった
霊格調査石をさわると、霊格調査石が真っ黒く光った。「霊格 未知数 全宇宙0位 」と
表示された。すると好田大血の部下の一人であるカルチャルが大急ぎで部屋に入ってきた。
「ジョーカー000様。地球プロジェクトのトップ、チシュウが朝日英雄と接触しました。」
好田大血「分かっている。今、観察していたところだ。海で泳ぐことすらできないボンクラ
だ。恐るるに足らずだ。俺が初代トップ・オブ・ザ・アースになるのは必然だ。」大きな屋敷
に住む好田大血は不敵な笑みを浮かべていた。

チシュウとロカロとの出会いで、本格的な訓練が始まるため、何も知らない英雄の家族には
「一人暮らし」するということにして、英雄は実家を離れた。弟や母親がさみしがったが、
英雄はその痛む心を和らげるかのように、忘れようとして、必死にトレーニングに集中した。
ある日、英雄は一人で朝の散歩をしていると、火事に遭遇した。「助けてください!!!!!」
3階から男の子が助けを求めている。英雄は一瞬、とまどい、躊躇して、消防署に連絡したが、
消防署が到着するまでに男の子が死んでしまうかもしれないと思って、英雄は死ぬかもしれない
のを覚悟して、火事で燃えている家の中に入っていった。2階、3階と上がっていくうちに、英雄
の体は火事の火で大やけどを負った。ロカロが英雄を火からガードしようとしたが、英雄は
それでも大やけどした。男の子を無事に救助しようとしたが、英雄は黒い煙を吸い込み、一酸化
炭素中毒で火事の中、倒れてしまった。消防車が来て、消火活動が行われた。英雄は焼け死んだ
かと火事を見ていた人たちは誰もが思ったが、ロカロが英雄を守ってくれていたので、一命は
とりとめることができた。しかし、全身、体が大やけどして、命を失うところだった。
結局、消防隊員によって、英雄も男の子も救助された。英雄は結局、自分で男の子を助け出す
ことができなかったので、がっかりした。英雄「結局、僕は消防隊員の邪魔にしかならなかった
じゃないか。」ガッカリした。チシュウに報告すると、チシュウはそんなガッカリする英雄を
励ました。チシュウ「人を助けようとして、自分の命をかけて、がんばったんだから大した奴
だよ。自分を褒めるべきだよ。ガッカリすることなんて少しもない。ようやったな!!!」
英雄はチシュウに褒められて少し報われたような気がした。しかし、この英雄の命をかけた行動
は無駄にならなかった。英雄とロカロによる炎を使ったトレーニングでは、英雄は炎による耐性
が強化されていたのだ。長い間、熱い火事場の炎に包まれていたので、体が慣れて、英雄は
今まで100度くらいの炎しか使いこなせなかったのが、10000度の炎を余裕で使いこなせ
るようになっていたのだ。英雄「えっ、スゴイ。なんだこれ。10000度でも熱くないぞ!!」
ロカロ「火事の家に入った時に、火による能力が上がったんだね。」チシュウ「よかったな。
英雄。私も嬉しいぞ。しかし、君は太陽なんだから100万度まで炎を使いこなせるようになら
ないと、好田大血には勝てないぞ。」英雄「好田大血って、そんなに強いの?」チシュウ「ああ、
私よりも強い。なんせ、世界最優秀人類賞というものを3年連続で受賞しているからな。今の
ところ、世界一優秀な人間になるな。闇を使う君と同じ超能力者だよ。」英雄「闇を使うの?」
チシュウ「私は彼と3回対戦したことがあるんだが、3回とも敗れた。とにかく強い!!!!!」
ロカロ「闇を倒すのは光しかない。つまり、英雄、君が好田大血を倒すはずなんだ!!!」英雄
「ぼくがそんなすごいやつを?」英雄は自分の運命を信じらないでいた。

トップ・オブ・ザ・アースの予選申し込み募集が全世界で発表された。誰でも参加ができるように
なっていたが、徹底的な予選が行われることになった。「どれだけ地球に貢献したか」を競う
ゲームで、方法は問わない。誰かの力を借りても構わない。とにかく、決められた期間内で
どれだけ社会貢献できたかを競う予選が行われた。審査員により、社会貢献度を正確に
ポイント化して、ポイントが高いほど、予選通過できる可能性が高まる
ということだ。募集には約15万人ほど集まった。そこには好田大血はいなかった。彼は世界
最優秀人類賞をとったことにより予選を免除されていたのだ。

道でゴミ拾いや草むしりなどをする人もいたりしたがそれは社会貢献度が低いので無駄な時間の
使い方になってしまうが、環境が悪い人やお金がない人もいたりと条件は一定ではない。だが、
生まれた国、生まれた環境、生まれ持った遺伝子、才能、能力も全て運も実力のうちという
コンセプトのもと、予選は進むことになった。朝日英雄は何をするのかチシュウに質問したり
したが、チシュウは「なんでも俺に聞いていては自分の実力とは言えない。自分の頭で考え、
行動するということを覚えよ!!!」と説教されてしまい、途方に暮れていた。予選はちょうど
6か月という期間が設定された。どんなことでもいい。どれだけ人の役に立ったか。地球を
喜ばせたか。が評価ポイントになる。英雄は焦っていた。頼りにしようとしていたチシュウが
何もしてくれないからだ。普通の人と同じことをしていては差をつけることはできない。そうす
ると予選落ちも十分あり得る。そう思った英雄はチシュウの持っている霊格調査石を借りて、
占いの商売をすることにした。チシュウの霊格調査石は生命データと呼ばれるその人が神に創造
されてから今までの前世や霊格や功績や道のりが全て記録されているという。それを人に使い
教えることで、死後の世界である霊界でのこれからの生活がどうなるかを占うということをしよ
うとしたが、霊格調査石をチシュウから借りることはできたが、ネットでサイトを作ることも
できない。そんなネットの知識は英雄にはなかったし、どう客をたくさん呼ぶかを考えていた。
英雄は東京の都会のど真ん中に移動して、人ごみの多いところで占いの商売を始めた。
朝日「はいはいはい、皆さんを占いますよ。霊としての能力を計る霊格を調べたり、あなたの
前世やあなたが神に創造されて以来、歩んできた道のりを一回1000円で占うよ。あなたの
未来も占うよ。的中率は99%だよ。どうか、占いをしたい人、いらっしゃい!!!」拡声器
を使い、机に霊格調査石を置いて、たくさん宣伝した。すると、一人のお客が姿を現した。
みるからに外国人だ。日本語で話しかけてきた。外国人「あなた、本当に霊格の調査ができる
の?」英雄「もちろん、できますよ。この石にはすべてが占えます。一回1000円ですが、
どうですか?」外国人「じゃあ、お願いします。」英雄の心の中「やった!!!一人目のお客様
だ。嬉しすぎる。」すると、霊格調査石に警告の文字が現れた。霊格調査石はかぼちゃ一個ほど
の大きさにパソコンにケーブルでつなぎ、パソコンに占った結果が表示されるようになっている
。霊格調査石の調査の結果、男の霊格は36098で平均より普通より少し上くらいだったが、
パソコンに表示されたのは、「この男は悪人です。これから飛行機ジャックを行い、飛行機
もろとも墜落させて自殺させようとしています。明日までに止めないと手遅れになるでしょう」
と書かれていた。慌てた英雄は男を炎の能力で気絶させ、身動きできないようにさせて、警察署
に連れて行った。英雄「警察の方ですか。突然の出来事ですいません。この人、飛行機ジャック
を起こすと言っていたので、なんとか気絶させて、警察署まで連れてきました。本当に飛行機
ジャックするかもしれないので、調査していただけますか。念には念を。」警察官「わかりまし
た。調べてみます。」警察の刑事は男が目を覚ましたら、男の名前を聞き出し、ネットで調べて
みた。すると、男のブログには、飛行機ジャックするためのハンドガンやショットガンを準備
している画像が発見され、男はすぐに住所を調べられ、そのハンドガンなどは本物だったので
銃刀法違反で逮捕された。そして、飛行機ジャックは英雄の勇気ある行動により阻止された。
そして、正確には飛行機に乗るはずだった500人以上の命が救われた。朝日英雄はもうこれだ
けで予選通過は確実になった。予選に参加した人全員、生命データにどれだけ社会貢献したか、
人のために役に立ったかが生命データに全て記録されているので、その生命データを調べれば
すぐにどれだけ社会貢献できたかポイント化できる。本選へと進めるのは15万人中120人と
狭き門だ。英雄は500人以上の命を救ったことで、予選通過トップになった。人の命を救う
ことほど社会貢献度のポイントが高いことはないのだ。本選までの残り5か月間を世界一の人間
であり、優勝候補筆頭である好田大血に勝つためだけにトレーニングをすることに集中した。
チシュウは英雄の意外な功績にビックリした。まさか、予選1位になるとは思わなかったからだ。