こうして7人は歌とダンスを練習しまくる新鮮な生活になっていくのである。


「ある日のニャン吉と英雄との会話」

ニャン吉「ねえ、英雄さ。あの好田大血がワクチンの雨を降らせてANTウイルスを完全に
消滅させたって言っていたじゃん?あれさあ、本当に好田大血が一から開発したの?だったら
好田は大天才だね?」英雄「ああ、あのワクチンは揮発性経皮吸収型伝染ワクチンなんだ。
ワクチンの雨を降らせることで、その雨に打たれた人の皮膚からワクチンが吸収されていき、
ANTウイルスを消滅させることができるし、すぐにワクチンは空気に触れた瞬間から気体に
なりありとあらゆる場所にワクチンの成分が行き渡り、そのワクチンの気体を呼吸により、
少しでも吸った場合、呼吸器からワクチンが侵入にして、ANTウイルスを無効化することが
できる。こんな感じでANTウイルスは完全に消滅したんだ。全く、兄貴「好田」のワクチンは
とても優れている優秀なものだな。まぎれもない天才だよ。兄貴は。ニャン吉「へーーーー。
英雄にはとてもできない芸当だね。」英雄「うるさい!!!(笑)でも、いつか実績で超えて
みせるさ。絶対にな。」

「幽体離脱」

ある日、朝日英雄はチシュウの宇宙船に乗せられ、幽体離脱し、霊界へ行くという訓練をした。
チシュウ「これからお前の好きなポーランドが生んだ天才作曲家、フレデリック・ショパンに
会わせてやる。」ロカロ「英雄は霊界初めてだったよね。この地球に転生してから。普段、
睡眠中も肉体から霊体が離れて霊界に行っているのだけど、意識ははっきりとしないので、
気づかないんだけど、守護霊の僕が意識がはっきりさせたまま連れていくから大丈夫だよ。」
英雄「本当にショパンにこれから会えるっていうのか?あのショパンに?今、何してるの?」
チシュウ「相変わらず、生前、生きていたように、ピアノを愛し、作曲したりコンサートしたり
している。ショパンが死んでから霊界で作曲した全ての作品を霊界で聞くことができるからな。
お前が行く霊界とは、地球圏霊界のことだ。そこにショパンは今も住んでいる。」英雄「楽しみ
すぎる。」チシュウ「スウェーデンボルグって知ってるか?生きながら霊界に何度も生き、
膨大な数の霊界日記を残した人物だ。」英雄「知ってるよ。詳しくは知らないけれど。その人も
幽体離脱して行ったのかな?」チシュウ「実は私が連れて行っていたんだ。」英雄「そうだった
の?」チシュウ「本人には気づかれないようにして、睡眠中、霊界を冒険できるようにさせたん
だ。」英雄「チシュウってすごいね!!!地球最高責任者だもんね。」チシュウ「さあ、ベッド
ルームに行こう。そこでとにかく熟睡したまえ。」英雄「分かった!!!」英雄はベッドルーム
に案内されて、寝た。

英雄「あっ、なんだ?宙に浮いてる?意識もはっきりしている。」下を見ると、寝ている自分の
肉体があった。英雄「これが霊体なんだな。動きやすいや。どこにだっていけそう。」チシュウ
「やあ、英雄。オレだ!肉体に細い霊視線みたいなのが見えるだろう。それがシルバーコードと
いって魂の緒と呼ばれているものだ。それにつながっているかぎり、いつでも肉体に一瞬で戻る
ことができる。この魂の緒が切れたら、それを死と呼ぶんだ。」英雄「自然に切れてしまったり
しないよね。まだ死にたくないよ?」チシュウ「そんなことあるわけないだろう。どこまでも
無限にシルバーコードは伸びるんだ。とにかく行こう。」ロカロ「英雄、ショパンにもうすぐ
会えるよ?」チシュウはなにやらパソコンみたいなものをいきなり手品のように出現させた。
チシュウ「今、ショパンは自宅にいて作曲をしている最中だ。1人でいるらしい。なかなか
1人でいるときのショパンは珍しいからすぐに会いに行こう。」チシュウは英雄とロカロの手を
握った。チシュウ「力を抜いていてな。瞬間移動するぞ?せーの!」

気が付いたときには、英雄は緑の草が生い茂り、花がたくさん咲いている白い洋風の家の扉の
前にいた。チシュウ「ここがショパンの現在住んでいる家だ。ショパンは今、ここにいる。」
チシュウはインターホンを鳴らした。グランドピアノの形をしたおしゃれなインターホンだ。英雄は
いきなりショパンが出てくるんじゃないかとドキドキしてたまらなかった。2分後、扉が開いた。
「はーい、どなたですか。私はショパンの姉のルドヴィカと言います。」チシュウ「こんにちは。
実はフレデリックショパンさんに会わせたい人がいるのですが。この人、朝日英雄です。」
ルドヴィカ「まあ、あなたは。さあ、上がってください。きっと、フレデリックも大喜びすると
思いますよ。」ピアノの音が優雅に聞こえてくる。しかし、音を探っているかのような鍵盤の
叩き方だ。やはり、ショパンか?ショパンが作曲しているのか?素晴らしい旋律を見つけようと
しているのか?英雄の緊張は極限状態にまでなった。なんせ、あの世界で最も愛されている音楽
史上最大の作曲家の一人、ベートーベンやモーツァルトと肩を並べる伝説のピアノの詩人だ。
緊張しないわけがない。大理石の豪華な玄関を通ると、すみれの花が大きな花瓶に生けられていた。
そういえば、ショパンはすみれの花が大好きで、生前、自分の部屋にすみれの花を飾るように
手紙で友達に頼んでいたことがあったらしいし。すみれの花を砂糖でまぶして食べたとも言われ
ているし。英雄はショパンに関する本を何冊か読んでいて、その雑学が頭をよぎった。壁には
ショパンと思われる肖像画が飾られてあったが、こんなショパンの絵は見たことがない。新しく
霊界で描かれたものだろうか。油彩で書かれていた。すると、ピアノの音がだんだん近くなる。
その音はついに目の前まで来て、もう一つの部屋に入ると、ピアノを触っている男性がいた。
ルドヴィカ「フレデリック、お客さんよ。朝日英雄さんとチシュウさんよ。ロカロ君もいるわ。」
そこには生前の晩年の写真とかなり似ているフレデリック・ショパンがいた。フレデリック「
初めまして。こんにちは。私があなた方が会いたがっていたショパン本人です。よろしく。」
英雄はもう、霊界で天国気分というか、信じられない気持ちを抑えることができずに、固まって
しまった。チシュウ「こんにちは。ショパン。元気か?」ショパン「ええ、とても
元気です。調子が良くて作曲がとてもよく進んでいます。今、チェロとピアノの華麗なポロネー
ズ2番を作曲しているのですが。半分くらいきました。」英雄「ショ、ショパンさん。本当に
あなたに会えるなんて夢のようです。信じられません。これは現実ですか?」ショパン「あなた
のことはご存知ですよ。宇宙で最も有名な人ですからね。私に会いたくて来たんですよね。それ
は光栄ですね。私はあなたとは初対面ではないのですよ?」英雄「あなたの新曲が聞きたくて
うずうずしています。霊界で作曲した作品は何曲くらいあるのですか?」ショパン「細かい
小品なんかも含めるとざっと1000曲くらいありますかね。私が亡くなった1849年から
もう200年近く経っていますからね。聞きたかったら、私の音楽プレイヤーをあげますよ。」
ショパンは自分が使っている今までにショパンが作曲した全1387曲入った音楽プレイヤー
を英雄に渡した。ショパン「どうぞ!!!」英雄「わあ、ショパンから直々にもらえるなんて
ありえない。こんな幸せってもう一生味わえないよ。ありがとう。ショパン。そうだ、握手してもら
えませんか?」ショパンは英雄の両手を暖かく包み込むようにやさしく握った。英雄「芸術家
らしい手の形してますね。」ショパン「あなたから褒めてもらうなんて光栄ですよ。」ロカロ
「実はショパンさんに頼みがありまして。」ショパン「頼みとは?」ロカロ「実は英雄は
あなたの弟子になりたがっているんです。ピアノや作曲を教えてもらえないでしょうか。ピアノ
であなたの英雄ポロネーズを弾くのが夢だし、作曲が一番なによりもやりたいらしいんです。」
ショパン「分かりました。それではオーディションをしましょう。」英雄「オーディションです
か?」ショパン「今からあなたが即興演奏するのです。気分に合わせて。適当に弾いてはダメ
です。あなたの今までの人生を表現するかのような旋律を思いつきで弾いてみてください。
その素質をみたいと思います。私は優秀な才能をもった人しか弟子にはしないのです。もし、
才能がないのなら、残念ですが弟子入りはお断りさせていただきます。」英雄「待ってよ。でも
今まで全然ピアノなんて弾いたことがない初心者だし。とても天才であるあなたを納得させるよ
うな旋律を出せるわけありませんよ。自信ないです。」ショパン「それでもやってください。あ
なたの即興演奏が聞きたいのです。」英雄は極度に緊張しながら、ピアノに座った。こうなった
らやけくそだ。英雄はとにかく弾きだした。母から生まれたばかりの赤子が激しく泣くように
ピアノの音を出す。音をペダルで伸ばしながら。そして、初めて見る景色に感動するかのような
激しい「心の振動」を旋律にするかのように、とにかくやけくそで尋常じゃないくらいの強い
一念と思いを込め、鍵盤を弾いていく。感動する場面で英雄は感情移入しすぎて泣き出してしま
った。ショパンはそれを見て笑顔になってうなずいた。それから、怒り、憎しみ、悲しみ、
寂しさの想いを込め、弾き、最後に自分が3度目の救世主であったという激しい動揺と喜びと
嬉しさと使命感とそして最後にショパンに会った時の緊張を表現しようと適当ではなく、絶対
音感もないまま、とにかくそういう音を奏でようという気持ちだけは誰にも負けないつもりで、
弾いた。6分くらい経って、演奏は終わった。ショパンは静かに涙を流していた。そして、
大きく芸術的な手で音を鳴らした。拍手した。ショパン「合格です。英雄さん。わたしは最低で
も芸術やピアノに対する強い思いや気持ちを持っている人を弟子にしたかった。即興演奏で
気持ちをいれすぎて、泣いてしまうような生徒を望んでいたが、あなたはその私の理想通りに
表現してくれた。さすがは、神様だ。とてもあなたみたいなとんでもない大物を弟子にできる
なんて喜びでいっぱいですよ?これから定期的に作曲やレッスンをしていきましょう。あなたは
まだ地球に転生したまま霊界に来たから、寝ているときしか霊界に来れないでしょう。だから、
寝ているときに幽体離脱して、私に会いに来てください。あなた専用のレッスンを考案していき
ます。私自身もとてもワクワクしています。あなたは本当に私の英雄ポロネーズを弾きたいと
言ってくださった。英雄ポロネーズは今でも私にとって祖国、ポーランドを想った大切な、大切
な一曲です。今日は私たちも暇ですからこれからカフェでコーヒーでも飲みませんか?」チシュウ
「よかったな!英雄。ショパンの弟子になれるなんて。それより、コーヒーの味に関しては
私はかなりうるさいですよ?」ショパン「私が今まで飲んできた中で一番美味しいお気に入りの
コーヒーを飲みに行きましょう。」ロカロ「英雄、あのショパンに褒められるなんてさすがだね。
なかなかあんなこと言われないよ?」英雄「あーああ!よかった!!!緊張で死ぬかと思った。
とにかく気持ちを込めたんだ。それしか方法はなか
った。それが伝わったんだと思う。」ショパン「ちなみに私の曲の中で一番お気に入りの曲は
何かな?英雄君?」英雄「ノクターン12番です。あまり地球では有名ではありませんが、私は
あの落ち着く癒しの旋律にいつも寝るときにノクターン12番を聞きながら横になります。本当に
好きです。ショパンさんには本当に計り知れない感動をもらいまくっています。感謝しています。」
ショパン「あれは、家族と離れて一人でいるときに、その孤独感でさみしかった感情を、あの
家族といた時の温もりを思い出しながら作曲したんだ。聞いてくれてありがとう。地球では
僕のコンサートが5年に1度開かれているね。」ロカロ「ショパン国際ピアノコンクールですね
?世界3大コンクールの1つで世界最高峰のピアノコンクール。」ショパン「自分の作品が
コンクールになって、みんなに演奏されているなんて嬉しいよ。自分は愛されているんだなって。」
英雄「ええ、私もショパンさんみたいにみんなに愛されるような作曲家になりたいです。一番
やりたいのが作曲だから。」ショパン「チシュウさん、一瞬で行くこともできるけど、英雄くん
に霊界の美しさを見せてあげたいから、車で僕おすすめのカフェに向かいましょう。」チシュウ
「ああ、そうだな。霊界の景色をまだ、英雄は全然見てないからな。」ショパンたちは自宅を出
て、広い庭に止まっている一台の自動車に乗り込んだ。薄紫の色をしてとても美しかったその
自動車は現代の自動車と全然変わらない。自分で運転するらしい。ショパンが運転席に座った。
ショパン「安全運転でいきまーす!!!」と言いながらものすごい勢いで発進してエンストした。
ショパン「しまった。エンストしてしまった。エンジンかけなおしまーす。」しかし、エンジン
がかからない。ショパン「しまった。キーを力入れすぎて折ってしまった。」ショパン「どうしよう。」
それを見ていた英雄たちは意外なショパンの機械音痴姿にビックリした。英雄「では、自動運転
なんてものでいきませんか?」ショパン「それいいね!」結局、ショパンは自動運転に切り替え
ようとしたが、スイッチの押す場所が分からない様子でおどおどしていた。英雄「このボタンじ
ゃないですか?カーナビに目的地を入れて。」ショパン「使ったことがないんだ。カーナビは。」
チシュウ「じゃあ、私がやります。住所を教えてください。」ショパン「分からん。いつも、
道を覚えてそれで行っているから。」チシュウ「カフェの名は?」ショパン「オ・ロシェ・ド・
カンカル ポーランド 143番店」チシュウはパソコンを取り出し、教えてもらったカフェの
住所を調べ、カーナビに住所を入力し、自動運転の設定をし、なんとかショパン達を乗せた車
は出発した。