はじめに。

ある日、朝日英雄は宇宙人に出会い、世界を支配する悪の組織たちと戦い、地球の王様へと君臨し、地球滅亡の危機から地球を救う物語が始まる。1000年に一度、地球には世界を大きく変える救世主が降臨するという伝説が世界中に広まっていた。始まりはイエス・キリストから始まり、二度目の救世主と言われていたのはマルタ・ウォーニングは西暦1000年に誕生した。そして、時は流れ、西暦2000年を過ぎた現在、3度目の救世主が現れるかもしれないと、人類は盛り上がりを見せていた。



朝日英雄は音楽を1日に16時間近く聞いている音楽キチガイの青年で歳は18歳。中学すらまともに通わずに学歴は中卒。高校進学率98%の現代で、みんなと同じことしたくないという理由でずっと不登校だった。仕事さえできれば学歴なんて関係ないと言いながら、中学を卒業しても働かず、親に養ってもらっていた。そんな英雄の通信簿はオール1だった。また、甘えん坊でワガママで体重は100キロ超え。それでも意識だけは高めだった。



これはそんな落ちこぼれにしか見えない冴えない少年が様々な戦いを経て、成長しながら世界を丸ごと変えていく物語である。



果てしない広がりを見せる宇宙の中でも地球という星は、現在、全宇宙を創造した宇宙最大の2人の神が転生しているという理由により、宇宙の無限にある星の中でも一番特別な星になった。その地球は今、歴史上最大の変革が行われようとしていた。



朝日英雄はいつものように行きつけのコーヒー喫茶店で美味しいブルーマウンテンを飲んでいた。とにかく働いてないで怠けている彼は毎日が退屈で退屈で仕方なかった。良い暇つぶしを探していたところ、「地球を救うボランティア募集」という張り紙を見つけ、面白いと思った彼は、そのボランティアをやってみることにした。



行き先はなんと宮古島の海だった。ボランティアをする代わりに無料で1週間、宮古島旅行ができると書かれていた。そのボランティアの内容は極秘と書かれていて、少し怪しいと思ったが、割りに合わなかったらバックレてしまえばいいと軽く考えていた英雄は宮古島旅行の出発地である空港へと向かった。

少し印象深かったのが、「1名様限り。」となっていたことだった。早いもの勝ちということだろうか。英雄は宮古島に行きたいと、昔から透明なきれいな海で泳いでスキューバダイビングしてみたいという願望があったので、怪しいが、それもワクワクしてくる理由になって、出発地の空港へと向かった。入島空港に向かった英雄は予想外の人に出会う。長髪がよく似合う英雄の行きつけのコーヒー喫茶店の店主だった。店主「よう、英雄!こんなところで会うという偶然はそうあるもんじゃない。もう、話が飲み込めたよな?」英雄「・・・ということは、あのボランティア募集は店主さんが仕組んだんですか?」店主「そういうこと!暇で辛いといつも言っていたから、宮古島に行く予定があったから一緒に連れて行ってやろうと思ったのよ。もちろん、ボランティアをやってもらうが。それについてはあとあと話すから大丈夫だ。何、とてもやりがいがある仕事だ。楽しみにしてな。」すると、店主に連れられて空港を進むと、そこにはコーヒー喫茶店の店主にはとうてい持てそうにない大きなプライベートジェットが姿を現した。英雄「もしかして、このジェット機で宮古島に行くとかないですよね?」店主「御名答。オレが20のときに手に入れたものだ。68億円だったかな?」英雄「なんで買えるんです?そんなお金持ちだったんですか?なんで喫茶店のマスターなんかやってるんですか?」店主「コーヒーを愛しているからだ。趣味だよ。オレの夢でもあった仕事だ。よし、じゃあ、行こうか。これから1週間、みっちり楽しんでくれよ。今日中に宮古島の海で泳げるぞ。7月の始めだからきれいな水着姿のおねいさんたちにも会えるかもな。」英雄「よっしゃー!楽しむぞ!」店主と英雄の2人はプライベートジェットに乗り込んだ。プライベートジェットの中は豪華なコーヒーカウンターがあり、様々な種類のコーヒー豆が保管されていた。いつでも喫茶店みたいにコーヒーを入れられるようになっていた。しかし、ひとつ気になることがあった。見たこともない怪物みたいな写真が大きく額縁に入れられ、飾ってあった。どう考えても異様な雰囲気を放っていて、英雄は少し気持ち悪がった。英雄「この怪物は何ですか?」店主「オレの本当の姿だったらどうする?」英雄「またまたスゴイジョークですね。しかし、気持ち悪いなあ。コーヒー飲みながら見るものではないですよ。」店主「気にしないでくれ。そうだ、いつものコーヒー入れてやるよ。飲みなよ。」英雄は店主の入れたブルーマウンテンを飲みながら、だんだん眠気がさしてきたので、ベッドに案内され、寝てしまった。店主「これから大きな使命が待っているぞ、ナクサス111。今は眠っておきなさい。」店主は英雄の寝顔を見て、まるで我が子のような優しいまなざしで見つめていた。



朝日英雄が目を覚ました時にはなんとプライベートジェットは宇宙空間を移動しているような風景が窓から見えている。夜で青い空はどこにもない。それより様々な星たちが通り過ぎるのが窓から見えている。英雄「店主さん、今は何時ですか?星が窓からたくさん見えているのですが何かのCGかなんかですか?」英雄の隣のベッドで寝ていた店主は目が覚めた英雄にゆっくり近づき意外な言葉を口にした。店主「改めて自己紹介しましょう。私の名前はチシュウ。実は人間ではなく宇宙人だ。」すると、さっき見た額縁に飾ってあった怪物と同じ姿にいきなり変身した。チシュウ「英雄くん、いや、ナクサス111!君の担当になった宇宙人のチシュウだ。私の本当の正体は宇宙人だったんだ。驚いていい。だが、事実なんだ。これは夢や幻覚ではない。君は宇宙人と会うのは初めてだったよな。」英雄「うわあああああああ!」言葉が出ないほど驚いた英雄はチシュウから距離を置き、勢いよく離れた。しばらくの沈黙が続いた。チシュウ「君はショックすぎて動揺しているだろう。本当に宇宙人がいたのかと。しかし、これは私、本来の姿なんだ。本物なんだ。地球には宇宙人がすでにたくさん来ている。たくさんの宇宙人が人間に変装して生活しているのだ。」英雄「ウソだろ!いきなり宇宙人に自己紹介されるなんて・・・・・本物なの?」チシュウ「ああ、本物だ。いずれにせよ、慣れてもらわないと困る。これからたくさんの宇宙人と会うことになるからだ。」英雄「帰りたい。家に帰りたい。怖いよ。宇宙人なんて。店主さんが宇宙人だったなんて。きっと夢を見てるんだ!そうだ!夢だ!だから、安心だ。」チシュウ「夢ではない。」チシュウは英雄に近づき、ほっぺたを強くつねった。チシュウ「ほら、夢じゃないだろ?痛いだろ?そろそろ受け入れてくれ。」英雄「本当に夢じゃないんだな。でも宇宙人がボクに何の用なの?宮古島っていうのもウソなんでしょ?」チシュウ「君はこれから超大変な大きな仕事が待っている。少しずつ話していくけど、とにかく私達、宇宙人を信頼してほしい。私達は善良な宇宙人たちだ。地球には悪い宇宙人たちもいて、これから地球はそいつら悪者によってたくさんの危機を迎えるだろう。その地球を危機から私達、善良なる宇宙人たちと協力して救っていくということがこれから待っている。」英雄「そんな・・・そんな大役、何故、ボクが?ボクがしなくちゃならないの?」チシュウ「君は自分が何者なのか。どれほどの大物なのか、わかってない!君は選ばれた人間だ!」英雄「え?ボクが選ばれた人間?」


チシュウ「そうだ!君は地球に1000年に1度、登場する3度目の救世主なんだよ。」するとチシュウは大きな水晶をリュックサックから取り出し、霊格を測りだした。チシュウ「この水晶は持った人の霊格を調べることができる霊格調査石だ。私の霊格は56000。全宇宙150006665554443位だ。君も調べてみよう。」英雄に霊格調査石を持たせると、霊格調査石が七色のレインボーに光り輝いた。様々な色を放っている。その光景は言葉では言い表せないほど美しかった。「パンパカパーン!おめでとうございます。」と霊格調査石からカワイイ少年のような声が鳴り響いた。「霊格35096278527777777。全宇宙1位。」と出た。



英雄「えーーーーーーーーーーーー。そんなバカな!!!!!」



この時の朝日英雄の表情は、初めて宝くじで1等3億円を手に入れた時の150倍、変化に富んだ豊かな表情で、顔の筋肉が崩壊しそうになり、表情筋がつった。英雄「いたたたたた!顔の筋肉がつった。痛い!」チシュウ「どうだ、君が救世主ということが理解できただろう。これはやらせではない。仕組んだものでもない。実は君の本当の正体は・・・・・」すると、乗っているプライベートジェット機のコックピットから、声がした。「その辺にしておきなさい。」すると、世界のあらゆる美しい顔を一つに凝縮したかのような超美型のロングヘアーの黒髪をした桜色のスーツが美しい女性が登場した。「チシュウ、ちょっと喋りすぎじゃない?一気にそんなに英雄くんの秘密を暴露したら、頭パンクして倒れちゃうわよ?・・・こんにちは、英雄くん。私の名前はジュリー・ストロング。チシュウと同じ宇宙人の一人よ。我が組織、「地球プロジェクト」の理事長を務めているわ。チシュウの上司よ。」チシュウ「こらこら、ジュリー。そんな美しい姿で現れたら英雄は地球救済事業に集中できなくなるだろう。」英雄「ジュリーさん?始めまして。あなたも本当に地球外生命体、宇宙人なんですか?」ジュリー「そうよ!英雄くん、あなたが救世主であることは間違いない事実。だから、これから私達、地球プロジェクトの組織たちと協力していくことになるわ。かなり大変だけど覚悟できてる?私はあなたに会えて、とても光栄ですわ。」英雄「まだ実感わきませんよ。自分が救世主なんて。そんなのありえないよ。」チシュウ「そうか、信じられないか。では、こうするとしよう。」チシュウはいきなり乗っているプライベートジェット機の扉を開けた。すると、英雄をなんといきなりプライベートジェット機から海へ落としてしまった。英雄「わあああああああああああ!」「死んだ!!!」英雄は死を覚悟した。高度は10000メートルはある。そこから海に転落したとなると、助かるわけない。だんだん海の海面に近づき、いよいよ死ぬのかと思うと、恐怖で震えた。一瞬で死ぬだろうが、かなり痛いだろうなあ。涙が自然に流れた。母さん、父さん、兄さん。会えて良かった!家族の顔が思い出され、出会えたことに感謝する英雄であった。しかし、海面にあと100メートルくらいというところまで近づくと不思議なことに気づく。体が急に熱く発熱しだしたのだ。尋常じゃないくらい体が熱い。45度はあるんじゃないだろうか。変な違和感に気づき、海面10メートルくらいまで近づくと、信じられないことが起きた。英雄の体からたくさんの赤い炎がロケット噴射のように出現したのだ。そして、その炎たちが英雄を海面直撃から救うことになった。英雄は赤い炎に包まれ、空中を浮いていた。英雄は空中を自由自在に動き回ることができた。英雄「なんだこれは?なんてことだ!オレ、助かったぞ!炎がオレを助けてくれた。」「助けたのボクだけど!」いきなり炎から声がした。すると、いきなり見たこともないホワイトとレッドが混ざりあったカラーのモンスターが英雄の目の前に現れた。「はじめまして。朝日英雄。僕の名前はロカロ。君の炎の妖精だよ!」英雄「えっ?君が助けてくれたの?」ロカロ「僕は君が生まれた時からずっと一緒だったんだよ。君の体内に住んでいたんだ。君の炎の能力の源だよ。とにかく、こうやって君と話すのは初めてだよね。よろしく。どんなときもずっと一緒にいたんだよ。君の守護霊も兼任しているんだ。」英雄「僕の守護霊だって?」英雄は頭がパンクしかけた。