「あんたの初恋の人が戻ってくるんだって」


初恋の人って!


「マジで!?」


俺は驚きのあまりガタリと大きな音をたてながら席を立っていた。


あまりにも大きな音だったのかオフクロに「智流。静かにしなさい!」そう叱られた。


俺は静かに席に着くと姉貴にさっきの話を促した。


「マジよ。佑太から聞いた話だから確実な情報よ
だけど…」


佑太とは姉貴の彼氏の名前で俺の初恋の相手・佑希のお兄さんだ。


そうか。佑希が帰ってくるのか。


俺は嬉しさのあまりに姉貴の話を最後まで聞いていなかったんだ。