「あ……ごめんなさい。おしごと、よね?」

「そうです。あぁ、でも、そんなに悲しい顔をしないでください。怒っていませんから」

「ほんとう? おじさま、ありがとう。だいすきよ」

 そう言って、少女は伸び上がってジョージの顎にキスをした。途端、ジョージの顔が蕩けるようにデロリと(やに)下がる。

(うっわ。このお姫様、すごすぎ)

 なんという小悪魔だろう。あのジョージを、手のひらの上で転がしている。

 幼いながら、とんでもない手腕を発揮するニューシャ。エディはこのお姫様のことが気になって仕方がなかった。

 引き気味で見つめられていることに気付いたジョージが、「なにか問題でも?」と言いたそうに冷たい目でエディを睨みつけてくる。

 エディは「なにも問題はありませんですっ」と慌てて目を逸らした。