本条さんと出張…
本条さんは部長のことを狙っている、何度も食事に誘っているけどOKをもらえたことがない。奈美が前にそう言っていた。
部長と1泊2日となれば仕事とはいえ一緒に食事もするだろう。もしかしたら接待でお酒の席が設けられているかもしれない。お酒が入ってしまえば何が起きても不思議じゃない。

「こんなチャンス滅多にないだろうから本条さん、部長に何か仕掛けてくるかもね」

私の心を見透かしたような奈美のその言葉に胸がざわつく。
部長がもし本条さんと付き合ってしまったらどうしよう。
私にそうしたように、部長が本条さんを抱きしめたりキスしたりしたら…そんな想像をしてしまい、慌てて頭を振る。
ちらりと部長のデスクの方を見やれば本条さんがいて、何やら話している。明日の出張のことだろうか。モヤっとする…
今朝進藤が告白してくれたというのに、私の頭の中は部長のことばかりだ。
最近色々あり過ぎて、もう自分1人では処理しきれない。

「…奈美、お昼久しぶりに公園で食べない?聞いて欲しいことがある…」

私の切羽詰まった様子を察したのか、うん、いいよ、行こう、と言ってくれる。