「うわぁっ!プリメーラローズだぁ!」

あの私ににこりともしてくれなかった花鈴ちゃんが、あれだけ蒼介さんの膝の上から離れなかった花鈴ちゃんが、なんと満面の笑みで私の元へとやって来てくれた。

「うわぁ、うわぁ、メイコちゃんかわいいね!ほんもののプリメーラローズみたい!」

…花鈴ちゃんがメイコちゃんって呼んでくれた…!

笑いかけてくれた…!

感動して隣の凛子さんを見やると、ほらね?と悪戯っぽく微笑む。

あまりに嬉しくて、すっかり花鈴ちゃんしか目に入っていなかった私は凛子さんの、

「蒼介…っ!アンタ…っ!いくら芽衣子ちゃんが可愛いからって…っ!あははっ!」

という声に反射的に蒼介さんを見る。

「…うるせー…っ」

そう言った蒼介さんの顔は真っ赤で。

咄嗟に両手で顔を隠していたけど、真っ赤なのは隠しきれてなくて。

かぁぁぁぁっ。

釣られて私も真っ赤になる。

「私はね、花鈴と芽衣子ちゃんに仲良くなってもらいたかったのはもちろんだけど、1番は蒼介のその顔が見たかったのよ〜!」

なおも大爆笑の凛子さんと真っ赤な顔のまま怒る蒼介さん。