「…仲良く、してもらえますかね?」

「大丈夫!芽衣子ちゃんにも甥っ子くんがいるから分かるかもしれないけど、あのくらいの歳の子って、案外単純じゃない?花鈴、『おおきくなったらそうすけくんとけっこんする!』って言ってはいたけど、蒼介のことよりもプリメーラの方が断然好きなんだから!」

女の子も、やっぱり単純なんだ。

ふふ、と、2人で笑い合う。

クローゼットから、デコルテから袖にかけてのレースと裾のフィッシュテールが特徴のワインカラーのドレスを出した。


「まぁ、素敵ね!そのカラー、プリメーラローズのコスチュームカラーに似ているから、せっかくなら髪型もプリメーラローズに寄せちゃいましょう!」


そうして着替え終わった私の髪を、楽しそうに弄り出す凛子さんなのであった。

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その10数分後。

編み込みを織り交ぜてアップにしたプリメーラローズヘアに仕上げられた私は、凛子さんと一緒にリビングへと戻った。


「かりーん!芽衣子ちゃん変身してきたよー!」

凛子さんが花鈴ちゃんに声を掛けると、蒼介さんの膝の上から私を見上げた花鈴ちゃんが途端に目を輝かせた。