「あの子の芽衣子ちゃんを思う気持ちはホンモノだから。それはあの子のことずっと見て来た姉の私が保証する。だから、あんな弟だけど芽衣子ちゃん、これからも末永くヨロシクね」

凛子さんがまたそんなことを言うから、ついに私の涙腺は崩壊した。

「……私も、もう蒼介さん以外考えられません…こちらこそ、よろしくお願いします……」

ふふふ、これはお直しが必要ね、と涙をぽろぽろ流す私を覗き込む凛子さんの優しい笑顔は、蒼介さんにそっくりだったーー。


そうして涙で崩れたベースメイクを直してもらい、アイメイクにチークにリップに。

全てのメイクを終えた私は鏡に映る自分を見て驚愕した。

「…いつもと全然雰囲気が違う…‼︎」

使った道具はいつものと同じはずなのに、プロの凛子さんに掛かればこんなにも変わるものなんだ。

「そうでしょう?とってもキレイよ。芽衣子ちゃん、素材が良いからメイク映えするわぁ」

……メイク映え…

これは素直に褒め言葉として受け取って良いのだろうか…ちょっと複雑…