「なんていうか蒼介って、何考えてるか分かんないところあるじゃない?今までの彼女何人か見たことあるけど、彼女と蒼介の温度差がすごくて。大体彼女の方が蒼介にベタ惚れなのよね。そんな蒼介がいきなり彼女と同棲する、でしょ?大丈夫なの?って聞いたらもう芽衣子ちゃん以外考えられないって言うじゃない。でももし同棲後に蒼介のせいで破局なんてことになったら、お相手にもそのご両親にも顔向けできないと思って、私嫌がる蒼介に無理矢理聞いたのよ、芽衣子ちゃんのこと」

そこで一旦言葉を切って、今度は眉メイクに取り掛かるお姉さん。

「そしたらなんと、昨年の冬からずっと片想いしてた子で、それが今年の6月にようやく実ったって言うもんだから、私びっくりしちゃったわよ!あの蒼介がそんなに長い間片想いしてたなんて。今までたぶん自分から好きになって付き合ったことないわよ、あの子」

…え…?

お姉さんの話に静かに耳を傾けていた私は驚きのあまり声も出なかった。

昨年の冬から……?