「そうと決まれば、芽衣子ちゃんのメイク道具見せてね。蒼介、ちょっと芽衣子ちゃん借りるわよ!花鈴のことヨロシクね!」
それだけ言い置いて、私を引っ張って行く。
前に住んでいた家にはなかったが、蒼介さんのお家に引っ越すに当たって小さな鏡台をを買い足した。
いくら蒼介さんの家の洗面所が広いとはいえ、朝の忙しい時間にメイクやヘアセットで洗面所を占領するのが憚られたためだ。
今、寝室に置いてあるその鏡台の前に座らされ、手持ちのメイク道具をお姉さんにチェックされているところ。
このアイシャドウ、粉飛びも少ないし色持ちも良くていいわよね、とか、このアイライナー滲みにくくて描きやすくていいわよね、とか、ひと通りチェックし終えたお姉さんは、さぁ始めるわよ!と宣言し、まずは私の顔に手際良くベースメイクを施していく。
そうしながらお姉さんは、
「蒼介がね、同棲するって言った時、私びっくりしたのよ」
ぽつり話し出した。
それだけ言い置いて、私を引っ張って行く。
前に住んでいた家にはなかったが、蒼介さんのお家に引っ越すに当たって小さな鏡台をを買い足した。
いくら蒼介さんの家の洗面所が広いとはいえ、朝の忙しい時間にメイクやヘアセットで洗面所を占領するのが憚られたためだ。
今、寝室に置いてあるその鏡台の前に座らされ、手持ちのメイク道具をお姉さんにチェックされているところ。
このアイシャドウ、粉飛びも少ないし色持ちも良くていいわよね、とか、このアイライナー滲みにくくて描きやすくていいわよね、とか、ひと通りチェックし終えたお姉さんは、さぁ始めるわよ!と宣言し、まずは私の顔に手際良くベースメイクを施していく。
そうしながらお姉さんは、
「蒼介がね、同棲するって言った時、私びっくりしたのよ」
ぽつり話し出した。