蒼介さんとはにこにこ笑顔で話してるのになぁ。

落ち込んでいるとソファーに座ってその様子を眺めていたお姉さんに、

「ねぇねぇ芽衣子ちゃん、ちょっと」

と呼ばれた。

「はい?」

とお姉さんの所へ行くとじぃっと顔を見つめられ、

「ひょっとして芽衣子ちゃん、今日すっぴん?」

と言われ、はっ!となる。

…そうだった!すっかり忘れてたけど、私まだすっぴんのままだった!

「……す、すみません、今日出掛ける予定もなかったので、まだメイクしてなかったんです……」

恥ずかしい…キレイなお姉さんを前に、すっぴんでいることに急に恥ずかしさを覚えた。

「まぁ!キレイなお肌ねぇ。羨ましいわ!」

私の顔をペタペタと触る。

そう言うお姉さんは蒼介さんより3つ年上の38歳だという。

…見えない。世間一般で言うところのアラフォーには、全く見えない…。


「じゃあ芽衣子ちゃん!良かったら今から私にヘアメイクさせてくれない?」

「……へっ⁉︎」

突然のお姉さんの申し出に、変な声が出た。