勝手に押しかけてきたの姉貴だし、そのまんまの芽衣子で全然問題ないけど、と言う蒼介さん。

もうっ!問題ありありですから!

蒼介さんのご家族に初めて会うのにすっぴん、部屋着なんて……‼︎

でもすでにオートロックは解除されてしまったらしく、モニターは真っ暗だった。

こうなったらせめて着替えだけでも……‼︎

急いで寝室へ行きクローゼットを開けて、カジュアルだけどキレイ見えする薄手のメリノウールのニットワンピースに着替えた。

そこで今度は玄関の方のインターホンが鳴った。

…さすがにファンデーションを塗る時間は無かったか…

髪だけ手櫛で整え、寝室を出てすごすごと玄関へ向かう。

「おぉー、花鈴ちょっと見ない間に大きくなったなぁ」

蒼介さんの優しい声と、うん!と元気に答える女の子の声が聞こえた。

蒼介さんの後ろからひょこっと顔を出してご挨拶しようとしたら、すかさず私を見つけたお姉さんが先に、

「あなたが芽衣子ちゃん⁉︎会いたかったわぁ!」

と満面の笑みを浮かべ、ぎゅっ!と抱き締めてきた。