「テル~!私にもアメちょうだい!」



要君のことを、「テル」と呼ぶあゆみ。




一緒のグループの友達、桃子と美穂もあゆみの気持ちには気付いていた。



「要君、どう思ってるのかな。あゆみのこと・・・」




心配そうに桃子が私の耳元で囁いた。




「どうだろ・・・要輝彦、またの名を思わせブリ男・・・だからね」



美穂の発言に、私達は大笑いした。



思わせブリ男・・・その名の通りの思わせぶり度満点な要君。



学校でもバイト先でも、その気はないのに、女の子が寄ってくる。



でも、その原因は要君本人にあるんだって、本人は気付いていない。



ちょっと天然で、ただただ優しい要君。


優しくすることはいいことだけど、もし彼女になったら、耐えられない。