「覚えてるかな。お前らは、1学期はあまり団結していなくて、リーダーシップを取るヤツもいなくて、他のクラスに比べてやる気がないと思われるクラスだった。でも、だんだん変わってきた。最初は俺のホームルームで寝ていた子もいつからかちゃんと俺の目を見て、聞いてくれるようになった」


先生はそう言いながら、クラスでいつも寝ていた男子の方を見た。


その子は2年まで荒れていて遅刻ばっかりだったのに、3年になってちゃんと学校に来るようになったんだ。



「俺が今でもよく思い出すのは、文化祭。あの時、俺はお前らがかわいくてかわいくて仕方なかった」


先生は、一人一人の顔を見た。



「俺がやきそばが好きだからってやきそば屋をしてくれたんだよな。後から聞いたけど、矢沢が言い出したんだろ、あれって」



先生は、私を見た。



口々に、そうそう!!とみんなが言った。



ゆかりと依子が後ろの方から前に移動してきてくれて、隣にいてくれた。