「お電話ありがとうございます、こちらマルヤマ薬局杉内がお受けします」
「もしもし、あの、葉月、葉月ユイナはいますか?」
「申し訳ありません、葉月の方は今不在でわたくしでよろしければ、代わりにご用件をお伺いいたします。いかがでしょうか?」
「あの、葉月と交際している風間というもので今電話を無くしてしまって、電話番号を教えてもらいたいのですが」
「え!彼氏?ああ、本物ですか?今どこにいるんですか?ユイちゃんずっと探してますよ」
「えっと今群馬の病院にいて、あの、とにかくすぐにでも連絡を取りたいんですけど」
「わかりました、電話番号を教えるのはアレなのでユイちゃんに病院の電話番号を教えるのはどうですか?」
「え、ああ、はい」
面倒だ。確かに証拠も無いのに個人情報を教えるのは危険だ、だが今は緊急事態、この対応に少し苛立ちを感じる。
「先生ここの電話番号は?」
「うん?ああ、027ーXXXーXXX」
「027ーXXXーXXXでお願いします」
「はい、かしこまりました、ちゃんと伝えておきますね」
電話が切れる。とりあえずはこれで待つしか無い。
「連絡はついたかい?」
「あ、はい、ありがとうございます」