「ドキドキしてくれるといいけど……」

創の顔を想像しながら、クラウディアは髪を結い上げ、メイクを施していく。

何故、クラウディアのドレスが創のクローゼットにあるかと言うと、クラウディアの家のクローゼットには大量のドレスや服があるため、入りきらないドレスは創の家に置かせてもらっているのだ。

「お待たせ」

クラウディアがそう言ってアトリエに姿を見せると、創は顔を赤くしたまま固まってしまう。クラウディアが創に近づこうとすると、「ま、待って！綺麗すぎて心臓が止まっちゃう！」と言われてしまった。

クラウディアは「しょうがないわね」と笑い、早速踊り始めた。クラウディアが回るとロングドレスがふわりと舞い、つま先が見える。

チラリとクラウディアが横目で創を見ると、彼は真っ赤な顔をしながらも、クラウディアをしっかりと目に焼き付けているようだった。

創一人だけのために踊れる、創一人に全てを見せられる、それが嬉しく、どんなステージで踊った時よりも心を込めて踊っていた。星空がスポットライトとなり、夜風が新しい音楽となって、クラウディアを最高に輝かせる。