どこか緊張したような声で創が訊ねる。そんなところも本当に可愛くて、愛おしい。

「あなたからのお誘いを断るわけないでしょ？今夜はたっぷり時間があるんだし」

独り占めしてほしい。あなただけのあたしでいるから……。

クラウディアがそう伝えると、創は倒れてしまいそうなほど顔を赤く染め、クラウディアの手を握る。

創と手をつなぎながら、クラウディアは創の家へと向かった。



創の家はかなり広い。リビングや寝室などの生活する空間の他にも、数部屋空き部屋が存在している。創は一部屋をアトリエにしていて、そこで絵画教室に行けない時は絵を描いているのだ。

「このアトリエに来るのも久しぶりだわ」

たくさんの筆や絵の具、イーゼルが置かれた少し広めの部屋を見渡し、クラウディアは微笑む。絵画教室も好きだが、この空間もクラウディアは好きだ。何故なら、愛しい人と二人きりで絵を描くことを楽しめるからである。

「今日は……その……クラウディアを描きたいんだ」