それから、創はクラウディアを何度も真剣な顔で見つめながら、キャンバスに向かって絵を描き始めた。クラウディアは見つめられることにドキドキしつつ、絵が完成するのを楽しみにしている。

絵が完成するまでの間、二人はたくさん話をした。会話など、メールや電話で散々してきたはずなのに、二人のお喋りは止まらない。

「あのね、新しい夢が最近できたんだ」

「どんな夢なの？」

「内緒！」

「ええ〜？じゃあ、何でそんなこと言うのよ！気になるじゃない」

話をしている間にも、数え切れない、伝え切れない想いがクラウディアの中であふれていく。部屋に描かれる音が微かに響く中、クラウディアはこの幸せな日々が続けばいいなと夢を描いた。

「よし、できた！」

創が恥ずかしそうに言い、クラウディアは「見せて」と言いながら近付く。創の描いてくれた絵に仕上げなど必要ないだろう。

「Ti amo（愛してる）」

創の描いてくれた自分の絵を見て、クラウディアは愛を伝える。

心の中が、幸せな色で満たされていくのを感じながら……。