気が付いたらこちらに向かってジャンプして来た。

ギリギリ避けたが、天井と床に穴が空く様な威力だ。


「カエレ……」
「危ないじゃない!!そんな攻撃無しでしょ!!」


ジャンプしては、降ってくる。

その繰り返しで逃げ場がなくなり、私の体の上に落ちてきたお地蔵さん。


物凄く痛い思いをするはずだったが、全然痛くない。

石で出来ているはずのお地蔵さんに、のしかかられたら物凄く重いはずなのに__


まるで、綿のように軽い。


「カエレ……」


しかし、お地蔵さんがそう呟いた瞬間に胸に重みを感じた。


「カエレ……」


また、少し重くなった。

ああ、そうか。

お地蔵さんが帰れと呟く度に、体重が増えていってるんだ__

まずい!!

このままお地蔵さんの体重が増えて行ったら、私はぺちゃんこになってしまう。

もう駄目だ。

このまま、ぺちゃんこに潰されたカエルのようになっちゃうなんて惨めすぎる。


「カエレ……」


ああ、重さで息をするのも苦しい。

意識が遠のいて行く。


✤✤✤
「やっと、気付いた……」


気が付いたら地面に横たわっている。

私の横には心配そうな表情を浮かべたくろたんが居た。