影たちが調べてきた情報は岩見から聞いた話とそう変わりはなかった。

「行ってみるか」
「ああ」

俺たちは裏口に向かう。
影たちが鍵を開けてくれたおかげで、すんなり敷地に入られた。

「通り側が店だから、怪しいのは奥の建物だな」
「あ、ああ」

急に挙動不審になった岩見が、前方の茂みを気にしている。

「どうした、岩見?」
「いや、その・・・」

ん?

岩見が指差す先に、人影が一つ。

一瞬、緊張した。

ガサガサ。
茂みを動くたびに音を立てる人影。
どうやら、素人だな。
それに、この後ろ姿には見覚えがある。

「今朝会った子だろ?」
石見も気づいたらしい。

「須佐」
声を落として呼んでみた。

ギクリと肩を上げゆっくりと振り返ったのは、やはり須佐だった。